2018年(平成30年) 10月2日(火)付紙面より
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鶴岡市の松ケ岡開墾場を中心とする文化財が昨年4月、日本遺産に認定されたことを記念し、30日、記念講演会「明治維新150年、西郷南洲の教えからサムライシルクへ」が同市の荘銀タクト鶴岡(市文化会館)で開かれた。西郷隆盛と庄内藩主らの子孫3人が西郷と庄内との交流を語った。
官民でつくる鶴岡「サムライゆかりのシルク」推進協議会(会長・皆川治市長)が主催。県内をはじめ首都圏などから約900人が来場した。
西郷の曽孫に当たる西郷吉太郎さん(71)と、旧庄内藩主酒井家18代当主の酒井忠久さん(72)、庄内藩中老・菅実秀の玄孫、菅秀二さん(72)の3人が2部に分かれて対談、講演した。
1部では酒井さんと菅さんが「明治維新とサムライシルク?明治維新から日本遺産認定までを振り返る?」と題して対談。松ケ岡の開墾に関して「西郷さんは賛同し励ましてくれた」「賊軍の汚名を被った庄内だが国に貢献しようという強い意志の表れだった」などと語った。また、「西郷を慕った庄内藩士が西南戦争に加わらなかったのは、戦いで命を落とさず西郷の思いを全国に伝えようとしたから」と説明し、西郷の言葉を「南洲翁遺訓」としてまとめた経緯に触れた。
2部では、西郷さんが「曽祖父西郷隆盛を語る」と題して講演。「隆盛の思いをまとめ、全国へ配布してくれたことに感謝」と述べ、「隆盛はまさに今日本に欠けているものについて話している。どんな時も人に助けられた経験があるからこそ生まれた考えなのだろう」と語った。