2025年(令和7年) 4月2日(水)付紙面より
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鶴岡市の赤川花火大会実行委員会(鈴木譲実行委員長)は1日、同市の出羽庄内国際村で記者会見を開き、「第32回大会」を8月16日(土)に赤川河川敷で開催すると発表した。今年は鶴岡、藤島、羽黒、櫛引、朝日、温海の6市町村が「平成の大合併」で新鶴岡市として誕生して20周年を迎えるのを記念し、市民らから公募して決定する楽曲に合わせて特別プログラムの花火を盛大に打ち上げる。さらに4月から7月にかけ、鶴岡地域以外の5地域のイベントに合わせ各地域で1回、2―3分程度の打ち上げを計画し、赤川花火大会当日の特別プログラムを「千秋楽」と位置付けて盛り上げ、二十歳の新鶴岡市を祝い合う。
今年の大会テーマは「『綺笑天結』~永遠に輝く、地域の誇りへ~」。各地域での一連の打ち上げを含め、赤川花火大会を一つの物語の舞台として捉え、起承転結への思いを込めた。花火大会が地域の誇りであり続けるよう、大テーマとして一貫して掲げる「感動日本一」の大会を目指す。
今年の大会の目玉企画となる新鶴岡市誕生20周年記念の特別プログラムは、合併の歴史を振り返るとともに、鶴岡市の未来へとつなげることを目的にする。大型ミュージックスターマインで使用する楽曲は今月1―10日に赤川花火大会公式ホームページの専用フォームで受け付け、実行委員会で協議、決定する。好きな曲、花火の打ち上げに合いそうな曲、大切な思い出が詰まった曲など、1人1曲を公募する。
各地域のイベントに合わせた花火打ち上げは、4月12日(土)の羽黒・松ケ岡桜まつりを皮切りにスタート。5月は藤島・ふじの花まつり、6月は温海・ばら園まつり、7月は朝日・夏祭りで実施し、櫛引地域は現在検討中。各地域で2号玉50発、3号玉20発、4号玉5発の2―3分の打ち上げを予定している。
大会当日は、堤防整備で緩傾斜化された赤川堤ののり面を有効活用する無料の20周年特別席「新・赤川スタジアム席」を設ける。一般の無料席とは別に、1組6人までの席を約200人分用意する。鶴岡市広報5月号に合わせて配布される応募券はがきで5月23日まで申し込みを受け付け、抽選で当選者を決め、6月6日に結果を発送予定。有料チケットの一般販売開始は7月1日に予定している。
2025年(令和7年) 4月2日(水)付紙面より
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鶴岡工業高校の高橋心愛(ここあ)選手(2年)=鶴岡一中出身=が先月行われた全国高校ウエートリフティング競技大会の女子49キロ級で「金メダル」を獲得した。準優勝した福岡県の選手とはわずか1キロの差。課題だったジャークで自己記録(82キロ)を4キロ更新し、トータルで逆転優勝を果たした。
高橋選手がウエートリフティングを始めたのは中学2年の時。それまではバスケットボールを楽しんでいたが、山形ドリームキッズで重量挙げと出合い「私に合っているかも」と本格的に練習に取り組んだ。その後、めきめきと力を付け全中・ウエート競技で優勝。鶴岡工業に進学して迷わずウエートリフティング部に入った。今は下半身の強化を課題に1日2時間の練習をこなす。
今大会には標準記録をクリアし上位にランキングする全国の強者13選手が出場。高橋選手はスナッチで65キロ(2位)、ジャークで86キロ(1位)を挙げトータル151キロで頂点に立った。
高橋選手は「大会当日は緊張しっぱなし。『優勝したい』という強い気持ちで臨んだが、ジャークで自己記録を更新した最高の瞬間でさえ記憶にないほど。あまりにも集中し過ぎていたみたい」と笑顔を見せる。
今後の目標は夏のインターハイで「優勝すること」。トータルで155キロをクリアし、今大会と合わせ2冠達成を目指す。妹の愛空(らら)選手(鶴岡一中2年)と末っ子の笑愛(にこ)選手(朝三小6年)もウエートリフティングの選手として活躍する「ウエート三姉妹」。今大会では「みんなで応援しているよ」と妹からLINEが届き励みになったという。
高校を卒業してもウエートリフティングは「もちろん続ける」ときっぱり。将来の大きな夢は2032年にオーストラリア・ブリスベンで開かれるオリンピックに出ることだ。
2025年(令和7年) 4月2日(水)付紙面より
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俳優や製作スタッフなど映画に関わる人材を育成する「スタジオセディック・シネマスクール」が29、30の両日、鶴岡市泉町の市勤労者会館で開かれた。県内外の俳優経験者などが即興の演技を通して個性の出し方などを学んだ。
シネマスクールは、数々の映画が撮影されたロケ地の「スタジオセディック庄内オープンセット」(同市羽黒町川代)などを運営するM&N CO(同市末広町、丸山典由喜社長)の主催。俳優や脚本家、製作スタッフなど映画に必要な人材かつ全国に発信できる実力者を長期的に育てようと開催している。講師は庄内や本県にゆかりのある映画監督や俳優などが担当している。
今回の講師は映画監督の三原光尋さんが務めた。三原さんは「風の王国」(1992年)で監督デビュー。4人の料理部員がコンテスト優勝を目指して奮闘する「乙女のレシピ」(2013年)は鶴岡市の羽黒高校を舞台にした。昔ながらの豆腐店を経営する父娘の心温まるストーリーを描いた「高野豆腐店の春」(2024年)は第26回イタリア・ファーイースト国際映画祭で最高賞のゴールデンマルベリー賞など国内外合わせて10冠に輝いた。
受講者は地元庄内や山形市など内陸、宮城県や秋田県などから集まった30―60代の男女17人。いずれもキャストやエキストラで映画に出演経験があるか、シネマスクール受講の経験があるという。29日はシナリオに沿った演技について講義が行われた。2日目の30日は「理容店で怒る客と怒られる店スタッフ」というシチュエーションを基に、受講者が客とスタッフ役を入れ替わりながら即興でシナリオを組み立て、演技を披露した。
「短めの散髪を頼んだのに仕上がったら坊主」に怒号を上げる男性や、「これじゃデートに行けない!」とヒステリックに叫ぶ女性など、さまざまな“怒り”を表現。同一のシチュエーションのため設定が似通ってしまう中、それぞれ工夫しながら演技した。
全員が演技を終えた後、三原さんは「人は不測の事態に出合うと考える時間ができる。皆さんはシナリオを早く展開しようと怒り出すタイミングが早かった。リアルに考えた上でどう見せていくのかが大事。また、真剣に怒るほどリアルを感じる」とアドバイス。
さらに「自身の個性を出すことが大事。自分の魅力を引き出せる役者は、監督だけでなくいろいろな人の目に留まる。そういう人を使いたい、活躍させたいと感じる」と話した上で「監督も俳優も決定的に正しい方法論はなく、どんなことをやれば成功するなんて分からない。どんなに苦しんでも『0・1%でも表現が高みにいけたら』と考えながら私たちは映画を作っている」と語った。