2016年(平成28年) 8月20日(土)付紙面より
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庄内能楽館(酒田市、池田宏理事長)が主催した仕舞教室の受講者による修了発表会が18日、同市浜松町の同能楽館で行われた。園児から一般までがひと夏の稽古の成果を披露したほか、宝生流20世宗家の宝生和英さんによる特別講座が行われた。
庄内能楽館は1976年に設立。子どもたちから日本の伝統文化に触れてもらおうと夏休みを利用して仕舞教室を企画しており、3回目の今年は酒田、鶴岡両市などの園児から一般まで計25人が受講。先月27日に開講し今月17日まで12回にわたって、いずれも宝生流シテ方能楽師、當山淳司さん、辰巳大二郎さん、金野泰大さんの3人が交代で訪れて指導、受講者たちは自ら選んだ演目の習得に取り組んだ。
発表会では家族や能楽ファンが見守る中、能楽師の謡に合わせ、受講生たちが「竹生島」「紅葉狩」「岩船」といった演目を次々と発表、演目が終わるたびに大きな拍手が送られた。また、受講生らの囃子(はやし)と謡に合わせて當山さんが「船弁慶」を舞ったほか、金野さんが「田村」、辰巳さんが「野守」を披露し受講生や観客を魅了した。
引き続き、修了式を兼ねて、宝生さんが能楽について解説するなどした。池田理事長は「このような機会を通し、能楽の魅力を知ってもらえたら」と話していた。