2016年(平成28年) 9月6日(火)付紙面より
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酒田市総合防災訓練が4日、同市の富士見小学校を主会場に開かれ、一帯の第六中学区の住民ら約500人が大規模な地震発生を想定し、初期消火や医療救護、避難所運営など多面的な訓練に取り組み、有事の対応を確認した。
市が、市民の防災意識を高めようと毎年この時期、各中学校区の回り持ちで開催。今年は六中学区の各自治会自主防災組織を中心に、酒田警察署、酒田地区広域行政組合消防本部、電気、ガス、水道などのライフラインの事業者らが参加した。
災害の想定は「庄内平野東縁断層帯を震源に、マグニチュード7・5の地震が発生し、酒田市では震度6強を観測。広範囲で建物が倒壊し、相当数の死傷者が発生、ライフラインにも甚大な被害が出た」というもの。各自治会は指定避難場所や富士見小に住民を誘導するとともに、同校では現地災害対策本部の設置や情報収集、水消火器やバケツリレーによる初期消火、倒壊建物からの救出、医療救護、ライフライン復旧など、災害時に想定される被害や課題に沿った訓練を次々に繰り広げた。
給水訓練では、「人は1日に3リットルの(飲料用)水が必要」など解説を聞きながら、給水車から分けれた蛇口から、ビニール製の3リットル入り給水袋に水を入れる訓練を体験。参加者は市職員らのアドバイスを受け、真剣な表情で取り組んでいた。
今年は新たに、避難者が一時的に生活する「避難所」の運営訓練も実施した。市が主体となったマニュアルはあるが、実際の災害時に中心になる住民(自治会)を主体としたマニュアルはないため。住民が中心になり、避難者を受け付けて自治会ごとに振り分けたり、高齢者ら要配慮者を案内するなどした。市危機管理課では「こうした訓練で課題を探りながら、有事は住民主体でスムーズに動けるようにしていく」としている。