2017年(平成29年) 2月28日(火)付紙面より
ツイート
酒田に古くから伝わるつるし飾りの一種「傘福(かさふく)」を集めた展示会が、26日から酒田市日吉町一丁目の国登録有形文化財「山王くらぶ」で始まった。メーンの大広間には、鮮やかな色彩の布細工が数多くつり下げられた傘福が並び、みやびな世界を演出。訪れた市内外の観光客からは、豪華でかわいらしい傘福の数々に感嘆の声が上がった。
傘福は江戸時代に酒田に伝わったとされる。和服の端切れなどを用いて猿やエビなどの動物、花や桃、大根、カブなどの植物、巾着や宝袋などの縁起物を作製。それらを一本のひもに結び付けて周囲を赤や緑の幕で覆った傘の骨につり下げる。子どもの健やかな成長などを願い、ひな祭りの際に神社などに奉納したという。
展示会は、酒田商工会議所女性会(佐藤和子会長)が2005年、女性会設立25周年記念事業の一つとし、伝統工芸を復活させて後世に引き継ぐとともに、「庄内ひな街道」に一層の彩りを加えようと企画。翌06年3―4月に第1回を行って以来、毎年この時期に開催し、12回目を迎えた。
今年は、えと「酉(とり)」を模した布細工などを天井から床まで届く長いひもに計999個結び付けた「飛天(ひてん)」はじめ大小のつるし飾り約50基を展示。訪れた人たちは会場に入るやいなや「きれい」「すごい」と歓声を上げ、じっくりと鑑賞し、ひと足早く「酒田の春」を堪能した。展示は酒田まつり当日の5月20日まで。
2017年(平成29年) 2月28日(火)付紙面より
ツイート
酒田市内の児童を対象に同市のNPO法人・いぶき(星川龍一理事長)が企画した講座「ラーメン職人に挑戦」が25、26の両日、市ひらたタウンセンターで開かれた。25日にスープやチャーシューなどの仕込み作業を行い、翌26日には自ら調理したラーメンを訪れた市民らに提供した。
国立青少年教育振興機構による「子ども夢基金助成活動」の一環として、同法人が2013年から毎年開催している。今年は全4回シリーズで今月4日に開講。これまで市内のラーメン店の店主や星川理事長ら法人スタッフの指導で、市内在住の小学4―6年生12人が4班に分かれ、ラーメンについて学んできた。
25日は同センター内で仕込み作業。スタッフらの指導を受けながら▽焦がしニンニクを使用したコクのある「泉ラーメン」▽野菜や魚だし、鶏がらを使ったしょうゆベースの「天下無類ラーメン」▽あっさりしょうゆ味の「幸運UP!酒田の元気ラーメン」▽魚だしのスープと焦がししょうゆが特徴の「 想(おも)ひでそば家」―の班単位で、オリジナルのスープを作り上げた。
最終講の26日は午前9時から食材を切ったり、スープに火を入れたりと下準備。試食してそれぞれの味を確認した後、正午ごろに同センター内で「開店」。次々と訪れた父母、祖父母をはじめ市民らが講座の成果を味わっていた。
参加者の一人、鈴木あらた君(11)=松陵小5年=は「ラーメン作りは初めて。分からないことがたくさんあったが、楽しかった。モモ肉を使用するなどチャーシューを工夫した。『おいしい』と言ってもらえたらうれしい」と話していた。