2017年(平成29年) 3月7日(火)付紙面より
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東京都武蔵野市の若者たちが3―5日の2泊3日の日程で、友好都市である酒田市を訪れ、地元の若者たちとグループワークで両市連携による課題解決・活性化のプランを提案するなど交流を深めた。今後は武蔵野市が交流している全国10市町村の若者が一堂に会する構想も出ており、新たなスタイルの都市間交流に期待が高まっている。
両市の交流は1988年、武蔵野市消防団が酒田市を視察訪問したのをきっかけにスタート。94年には武蔵野市と交流している全国の自治体でつくる同市交流市町村協議会に酒田市が加盟する形で交流が本格化している。
今回は、武蔵野市が同交流市町村協議会の加盟市町村(富山県南砺市、長野県安曇野市、同県川上村、岩手県遠野市など、武蔵野市と酒田市を含め10市町村)にそれぞれ隔年で実施している市民交流ツアーの一環。これまでは観光が中心だったが、参加は年配者が多くマンネリ化の傾向もあったことから、若者同士が交流する企画を試みることになり、今回はその第1弾。武蔵野市在住の39歳以下の参加者を募ったところ、全て20代の大学生9人と社会人3人の計12人が参加した。
一行は3日の深夜バスに乗り込み、4日早朝に酒田に到着。八森温泉ゆりんこでの入浴・朝食、市内観光の後、午後からは市交流ひろばで地元若者たちとのグループワークに臨んだ。地元参加者は東北公益文科大の学生9人と一般4人の13人。これに司会役の酒田市職員が加わり、計30人が5グループに分かれ、両市の「いいところ」「もうちょっとのところ」を挙げた後、両市のコラボレーション(連携)でできる課題解決・活性化を話し合った。
最後は各グループが両市コラボ企画を発表。「武蔵野の子どもや学生が酒田で職業体験を行う」「酒田の人が武蔵野を東京観光の拠点にする」「武蔵野で酒田のラーメンを、酒田で武蔵野のうどんをPR」「武蔵野の5大学の学生が飛島で釣り大会」「武蔵野の商店経営者が酒田に出店し、1年間黒字だと酒田市が報奨金を出す」などユニークなアイデアを発表した。丸山至市長が講評し「いずれも良いアイデア。交流の輪の広がりに期待」と述べた。
武蔵野市の伊藤英穂交流事業担当部長は「最も行政から離れる年代である若者たちにどうアプローチしていくかという意味でも貴重な試み。酒田での評判が良いようなら、他の交流市町村でも実施したい。将来は10市町村の若者が一堂に会する構想も視野にある」と期待を語った。