2023年(令和5年) 2月11日(土)付紙面より
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20年ぶり本狂言「昔談柄三荘太夫」
少年歌舞伎おなじみ「白浪五人男」
酒田市黒森地区に連綿と伝わる県指定無形民俗文化財「黒森歌舞伎」の正月公演が15(水)、17(金)の両日、地区内の黒森日枝神社境内で行われる。今年の本狂言は2003年以来となる「昔談柄(むかしがたり)三荘太夫(さんしょうだゆう)」。地元・黒森小児童による少年歌舞伎「青砥稿花紅彩画(あおとぞうしはなのにしきえ)」の「稲瀬川勢揃の場(通称・白浪五人男)」とともに上演する。
黒森歌舞伎は約280年前から、地区民による妻堂連中(五十嵐良弥座長)が、鎮守・黒森日枝神社の神事の一環として受け継いできた農民芸能。1976年に県無形民俗文化財に指定された。正月公演は厳寒期に屋外で鑑賞するため、「雪中芝居」「寒中芝居」と呼ばれている。新型コロナウイルス感染拡大に伴ってここ数年は中止・延期が相次ぎ、昨年は10月に特別公演として実施しており、この時期の開催は2020年以来、3年ぶり。
20年ぶりの上演となる今年の本狂言「昔談柄三荘太夫」は、黒森歌舞伎以外では演じられていない珍しい演目。悪徳領主の三荘太夫、「鶏娘(とりむすめ)」と呼ばれるおさん、幼い姉弟の安寿姫と對王丸はじめ魅力的な登場人物による愛憎劇が見もので、今回は「丹後の国南山の場」「三荘太夫屋敷の場」の2幕を上演する。
正月公演は15、17日とも、午前10時から同校児童による少年太鼓、正午から少年歌舞伎。本狂言は午後1時から。鑑賞は無料。マスク着用。客席は屋外のため各自で防寒着などを準備が必要。特製弁当(料金1000円)、ます席(弁当、解説本付き。1ます定員は4人、料金1万円。1日8ます限定)もある。問い合わせなどは黒森コミュニティセンター=電0234(92)2255=へ。
一方、黒森歌舞伎「酒田公演」が来月5日(日)、同市の希望ホールで開かれる。当日は正午から少年太鼓、午後0時半から少年歌舞伎を行い、本狂言は同1時半から。演目は正月公演と同じ。入場料は前売り500円、当日700円(未就学児は無料)で、市総合文化センター事務室、市役所地下売店、希望ホール事務室、各総合支所などで扱っている。
問い合わせは黒森歌舞伎保存会事務局の市教育委員会社会教育文化課=電0234(24)2994=へ。