2023年(令和5年) 2月12日(日)付紙面より
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酒田市の旧阿部家(市指定文化財)で11日、恒例の小正月行事が行われ、親子連れが豊作を願う「なし団子」作りなどで伝統行事を体験した。
旧阿部家は1690(元禄3)年の創建とされる肝煎(庄屋)の住宅で、1984年に旧平田町の文化財に指定された。今年で創建333年目。同市では最古の木造建造物といわれる茅葺き屋根の古民家。小正月行事は地元住民らでつくる「旧阿部家の四季を楽しむ会」(櫻井静悟会長)が86年から実施している。コロナ禍で中止しており、3年ぶりの開催。
36回目となる今回は同市内の親子連れ30人余りが参加。参加者は初めに土間で餅つきを体験。引き続き、座敷に移動し、豊作を願って紅白の餅をミズキの枝に付ける「なし団子」作りに挑戦。子どもたちは同会会員や保護者らの指導を受けながら、丸めた紅白の餅をバランスよく枝に付けていくなど和気あいあいと作業していた。
櫻井会長は「旧阿部家で四季に合わせて年4回実施している行事の一つ。地元の文化について、楽しみながら理解を深めてもらえれば」と話した。
2023年(令和5年) 2月12日(日)付紙面より
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「総合学習」で学び
実践活動から考察
「郷土愛の醸成」をテーマに掲げ、酒田市平田・松山両地域の宝・魅力を探し出し、その活用策について考察してきた酒田市の東部中学校(赤塚枝美校長)の1年生による総合学習発表会「『地域の宝』コンテンツ発表会」が10日、同校体育館で行われ、学びに協力した企業・団体の関係者が見守る中、生徒たちが堂々と成果を披露した。
市中期観光戦略アクションプログラムに基づき昨年6月に設立した「酒田DMO」(同市、荒井朋之理事長)を中心に、いずれも市内のプレステージ・インターナショナル山形BPOパーク、JR東日本庄内統轄センター、ANAあきんど庄内支店、NPO法人「ひらた里山の会」、アイアイひらたを運営する「ひらた悠々の杜」の協力で、生徒たちは昨年7月以降、総合学習を活用し、これまで8回にわたって「平田・松山の宝」を探した上で、その宝をブラッシュアップする実践活動に取り組んできた。
この日は1年生76人が6―7人ずつ12班に分かれてそれぞれ発表した。平田地域にある飽海三名瀑の一つ「十二滝」の魅力を探った班は、周辺での散策ツアー、ウオークラリーの開催を提案。首都圏に住む家族連れをターゲットに、時期を降雨で流れが増す梅雨時とした上で、庄内空港やJR酒田駅にポスターを掲示する他、SNSで周知を図って集客。「自然の豊かさなど酒田の魅力を観光客はじめ多くの人から知ってもらう活動を行いたい」と述べた。
また、「レッツゴー武者行列!」のテーマで、毎年5月1日の松山まつりの中で行われる「武者行列」のPR方法について考察した班は、「酒武者(さかむしゃ)」と銘打ち、自ら甲冑(かっちゅう)に身を包んでJR酒田・砂越両駅、庄内空港を練り歩くイベントの開催を考えた。「高校生と、かっこいいものが好きな子どもとその家族がターゲット。貴重な文化・伝統を味わってもらいたい」と紹介した。
会場に集まった協力企業・団体の関係者は各班ごとにそれぞれアドバイス。講評で荒井理事長は「ぜひ実行に移してほしい」と呼び掛けた。