2023年(令和5年) 3月16日(木)付紙面より
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酒田港の利用促進に向けた「ポートセミナーin庄内」が14日、三川町のいろり火の里なの花ホールで開かれ、鶴岡、酒田両商工会議所に所属する会員事業所の担当者が利活用方法、助成制度などについて理解を深めた。
鶴岡、酒田両商議所、庄内地区商工会広域連携協議会、“プロスパーポートさかた”ポートセールス協議会が、「アフターコロナ」を見据えて企画したセミナー。この日は庄内地域一円から約150人が参加した。
セミナーに先立ち主催者を代表して鶴岡商議所の上野雅史会頭が「3年に及ぶコロナ禍は地域経済に計り知れないダメージを与えた。アフター・ウィズコロナが本格化する中、地域経済の再生に向けて新たな収益構造を探る取り組みが求められている。酒田港をあらためて重要・貴重な物流拠点と認識し円安基調の中、フルに活用した輸出の活性化が再生の大きな鍵になると考えている。酒田港を起点に庄内地域の活力をつくっていきたい」とあいさつ。県港湾事務所の松田茂所長が貨物取扱量の推移や国際ターミナルの機能強化といった酒田港の近況を報告した。引き続き海運貨物を取り扱ういずれも酒田市にある日本通運山形支店酒田海運営業所、酒田海陸運送の担当者がプレゼンテーション。このうち酒田海陸運送取締役事業部長の佐藤祐さんは海運を取り巻く近年の状況に関し、「コロナ禍による労働者不足などから沖合で待つ滞船が相次いだが、ほぼ解消。運賃もコロナ禍前までに戻りつつあり、遅延も改善している」と話す一方で、「米国と中国の景気がいまひとつなため先行きは不透明」と解説した。
労働者の残業規制、運転手不足といった物流業界の「2024年問題」に触れ、「酒田港を利用した『モーダルシフト(トラック輸送から、地球に優しく大量輸送が可能な海運・鉄道への転換)』で物流の安定化を推進し、持続可能な事業展開を」と続けた。また、酒田港を活用してエンジンや外装、タイヤなど中古自動車部品を海外に輸出している永田プロダクツ(同市)の担当者が事例報告した。