2023年(令和5年) 4月20日(木)付紙面より
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酒田市亀ケ崎五丁目にある亀ケ崎十一面観音堂の祭典が18日、境内や地区内一帯で行われ、地元児童による奴(やっこ)振り、若衆の勇壮な獅子舞・天狗舞が繰り広げられ、訪れた地区住民らが静かに手を合わせて家内安全など祈願した。
地区内の安全、五穀豊穣(ほうじょう)などを願い、旧鵜渡川原村(現在の酒田市亀ケ崎地区)に室町時代から連綿と受け継がれている祭典。奉納上演される3幕4段に及ぶ勇壮な「亀ケ崎獅子舞」は1975年、市の無形民俗文化財に指定された。コロナ禍の影響で中止・縮小が相次ぎ、通常通りの祭典実施は2019年以来、4年ぶり。
この日は男子児童約10人の奴振りを先頭に、地区住民が晴れ着姿の稚児を連れ立って地区内を練り歩いた後、観音堂周辺を3周。かわいらしい稚児たちの姿に、祭り客は「めんごごど」と目を細めていた。
観音堂内で護摩祈願が行われている間、境内では地区の若衆が天狗舞と獅子舞を奉納上演。曇り空ながら心地よい風の吹く絶好の祭り日和の中、笛や太鼓の音色に合わせ天狗や獅子が舞を披露すると、祭り客からは拍手と歓声が送られた。