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荘内日報ニュース


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2023年(令和5年) 4月22日(土)付紙面より

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庄内の魅力アピール “プロスパーポートさかた”ポートセールス協議会 酒田寄港クルーズ船乗員対象にツアー

 外航クルーズ船「シルバー・ミューズ」(バハマ船籍、4万700トン)の酒田港寄港に合わせ 同港の利用拡大を推進している官民連携組織“プロスパーポートさかた”ポートセールス協議会(代表・吉村美栄子県知事)は20日、トーマス・クーラス船長ら同船幹部乗員を対象にしたツアーを酒田市内で展開。平田牧場の豚肉、旬の山菜、新鮮な魚介類など県産食材をふんだんに使った食事の提供、観光施設の視察を通し、本県、庄内地域の魅力をアピールした。

 同船は今月6日に続き入港。20日は米国や英国を中心に乗客約540人が酒田を訪れた。幹部乗員を対象にしたツアーは、地元食材をアピールすることで、船内での活用を含め消費拡大につなげるとともに、本県、庄内地域が持っている魅力に触れてもらおうと初めて企画した。

 この日は幹部乗員17人が2グループに分かれ、それぞれ実施。同市のガーデンパレスみずほで行われた食事会では、平牧金華豚の厚切りロースかつと棒ヒレかつ、近海で採取した魚介類のお造りなどとともに、文化庁「100年フード」に認定された「むきそば」と「笹巻」、ウドや行者ニンニク、タラノメなど旬の山菜を用いた料理に舌鼓を打った。クーラス船長は「どの料理も素晴らしい。世界の中でも特別においしいものの一つだ」と。食材管理を担うマーティン・コソーレックさんも「船の乗客にも勧めたい。残念ながら船には日本人シェフがいない。和食はやはり日本人が作った方が良く、雇用を検討したい」とそれぞれ話した。

 食事会終了後は「さかた海鮮市場」、即身仏を安置する「海向寺」、日本三大つるし飾りの一つ「傘福」を展示する「山王くらぶ」を視察した。

 県観光復活振興課インバウンド推進室の白幡佐敏室長補佐は「これからもこのようなツアーを実施して県産食材、本県の魅力をPRしていきたい」と話した。

 同船は同日夕、次の停泊地・北海道に向け出港した。

クルーズ船乗員に本県、庄内地域の魅力をアピールしたツアー=ガーデンパレスみずほ
クルーズ船乗員に本県、庄内地域の魅力をアピールしたツアー=ガーデンパレスみずほ


2023年(令和5年) 4月22日(土)付紙面より

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化石燃料段階的廃止と再生エネ

 札幌市で開かれた主要7カ国(G7)気候・エネルギー・環境相会合が、2050年までに化石燃料を段階的に廃止する共同声明をまとめた。一方ドイツで稼働中の原子力発電所がすべて運転を停止、60年間続いた原発の歴史を閉じ、再生可能エネルギーの比率を高めるという。日本は依然原発と化石燃料に依存しており、地球温暖化対策のためドイツに倣って再生エネ導入を急がねばならない。

 ドイツは11年の東京電力福島第1原発事故の後、原発の稼働を段階的に止め、風力や太陽光など再生エネ導入を加速させ、30年までに再生エネの割合を8割に高める計画という。原発の危険性から脱却し、地球温暖化防止対策としての再生エネ導入は避けて通れないということであろう。

 ◇      ◇

 ドイツのエネルギー政策は、日本とは対照的と思える。日本では福島原発事故後、国内の原発の運転を停止して安全点検を実施、原子力規制委員会の審査に合格した一部は再稼働している。しかし、危険性があるとして住民が起こした運転差し止め請求訴訟が裁判所に棄却されたり、活断層の上に立地している原発の審査データの不備が指摘されるなど、「原発の安全神話」が揺らいでいる。

 脱原発を受け、ドイツの政府経済気候保護省高官が日本の報道機関の取材に応じ、日本の再生エネの可能性の高さを示唆していた。「日本はドイツよりも再生エネの潜在力は高い。風力・太陽光・地熱のような再生エネを積極的に導入することで、日本のエネルギーは将来的に自立できると思う」。併せて「原発はリスクを伴う技術で、原発の新設は高くつく」とも。

 庄内沖では遊佐町と酒田港沖で洋上風力発電が計画されている。遊佐沖の着床式発電計画については現在、事業化に向けて「有望な区域」から「促進区域」への指定に、法定協議会は異存がないとの考えだ。国も発電事業者公募に向けた手続きに入る予定という。また、地元が気掛かりとしている風車の設置位置は、漁業者の意見を取り入れて吹浦漁港の南側で海岸線から1カイリ(1852メートル)沖に離すことにしている。

◇      ◇

 一方、地元住民「遊佐沖洋上風力発電を考える会」は慎重で、景観、自然環境や健康への影響を不安視している。同会は、飛島定期航路上の酒田沖7キロ付近の船上から鳥海山方向を望むフォトモンタージュ(合成写真)を示したが、風車の高さは鳥海山の稜線をしのいで見える。

 鳥海山の手前に洋上風車が立ち、景色が一変することで、住民はより沖合への設置を要望している。しかし、遊佐町は「温室効果ガス排出ゼロは待ったなし。今できることをしなければならない」との考えでいる。再エネ導入は避けられないとしても、行政と住民の双方が納得できる接点を探ってもらいたい。

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2023年(令和5年) 4月22日(土)付紙面より

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修学旅行先 広島の高校生と事前交流 平和 共に学び考える 東部中生「現地の若者の声伝えたい」

 修学旅行として今月26日(水)から2泊3日の日程で広島・大阪を訪問する酒田市の東部中学校(赤塚枝美校長)の3年生73人が19日夕、広島市の広島平和記念公園など見学する際、ガイドしてもらう同市の広島中等教育学校5年生(高校2年生相当)とオンラインで対談。「戦争の無意味さを周囲に広げたい」と話す東部中生に対し、「訪問した時、詳しく説明する。会えるのが楽しみ」と答えるなど交流を図った。

 東部中3年生は26―28日に広島と大阪を訪問し、見聞を広げる。初日に広島市の広島平和記念公園、広島平和記念資料館(原爆資料館)を見学し、「平和」について学ぶことにしておりこの際、中等教育学校の生徒たちからアテンドしてもらう。訪問を前に考えを共有しようと、両校がオンライン会議ツールを使って今回の対談を企画した。

 この日は1―3組の各クラス単位で広島とつなぎ意見交換。東部中生徒たちは「原爆による被害について学び、戦争の無意味さを周囲に知らせたい」「現地の若者の声をより多くの人に伝えたい」「原爆による被害と復興について理解を深めたい」などと平和学習のテーマをそれぞれ発表。鳥海山、田植え前の田んぼなど学校周囲の景色を紹介した。これに対して中等教育学校の生徒たちも学校から見える景色を紹介、「広島で会えることを楽しみにしている」と答えた。

 修学旅行に際し東部中の前田悠誠さん(14)は「被爆地としての広島の重みを感じ、手助けできることはないか考える機会にしたい。その土地、その土地の良さに触れたい」と話した。修学旅行を経て同校生徒たちは引き続き「平和な世界を創(つく)るにはどうしたらよいか」をテーマに議論を深めていく。

オンラインで広島の生徒と対談する東部中の生徒たち
オンラインで広島の生徒と対談する東部中の生徒たち



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