2023年(令和5年) 5月6日(土)付紙面より
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「こどもの日」の5日、鶴岡市の荘内神社(石原純一宮司)で「第8回荘内神社泣き相撲」が行われた。同神社参集殿に大勢の赤ちゃん力士の元気な泣き声が響き、子や孫の健やかな成長を願う家族の明るい笑顔が広がった。
大きな泣き声の赤ちゃんに軍配が上がる泣き相撲。赤ちゃんの泣き声で邪気を払い、子どもたちの健やかな成長を祈願しようと、2015年に始まった。2歳ぐらいまでの幼児が対象で、今年は庄内一円をはじめ内陸地方や大型連休で帰省中の138人が参加。午前と午後の各2回、計4回に分け、拝殿で祈祷(きとう)を受けた後、こいのぼりなどが飾られた参集殿で取組が行われた。コロナ禍で中止や延期があり、4年ぶりに通常の形で開催された。
初回の午前10時の部には赤ちゃん30人が出場。ねじり鉢巻き姿の赤ちゃん力士たちが東西に分かれ、お父さんやお母さんに抱かれてステージ上の「土俵」の座布団に座り、互いに見合って取組体勢に。行司役の石原宮司の「はっけよい」の合図で対戦。体をのけ反らせ大きな声で泣く子や、最後まできょとんとした表情の子、寝入ってしまった子などさまざま。東西どちらも大きな声で泣き両方に軍配が上がる大一番もあり、対戦のたびに繰り広げられる赤ちゃんたちのいろんな表情に会場は明るい笑いと拍手に包まれた。
元気な泣き声で堂々とした取組を見せた酒田市こあら一丁目の朝井太智(たいち)ちゃん(4カ月)の両親・健人さん(29)と知佳さん(29)は「普段からよく寝てよく泣く長男です。立派な泣き声でした。すくすくと元気に育ち、みんなに愛されて、みんなに優しくできる人に成長してほしい」と話していた。
「子どもまつり」にぎわう 酒田市 4年ぶり ざっこしめに挑戦歓声上がる
酒田市子どもまつりが5日、同市の日和山公園をメイン会場に開かれた。日差しが降り注ぐ絶好の行楽日和となる中、家族連れでにぎわい、子どもたちがさまざまなイベントを思い切り楽しんだ。
次代を担う子どもたちの健全育成を目的に、市、市子ども会育成連合会(市子連)など機関・団体・企業が実行委員会(委員長・須田文男市子連会長)を組織し、「こどもの日」に合わせ開催。コロナ禍の影響で4年ぶりとなった今年は、サッカーゲーム、公園周辺を巡るウオークラリー、紙飛行機大会といったイベントが目白押しで、多くの家族連れが集まった。
このうち、金魚のつかみ取りを行う「ざっこしめ大会」には、大勢の子どもたちが参加。就学前の幼児たちは笛の音を合図に一斉に水の中へと入り、濡れるのも構わず一生懸命に金魚を追いかけた。
帰省で愛知県豊田市から来たという勝山旺亮君(4)は「魚が取れたのが楽しかった」とざっこしめの感想を話した。
また、消防の放水体験や酒田青年会議所による相撲体験コーナーには長い行列ができ終日、子どもたちの歓声に包まれた。
2023年(令和5年) 5月6日(土)付紙面より
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「誰か捨て、誰か拾う」―。27日、酒田市飛島の海岸を清掃する「海ごみとの戦い・飛島クリーンアップ作戦」の、参加者募集のキャッチフレーズだ。同作戦は今年23回目。毎年大勢のボランティアが参加しているのに、拾っても拾ってもなくならない。海岸ごみの源は、捨てる人がいるからにほかならない。
海岸漂着ごみに悩まされているのは、飛島だけではない。日本列島、さらには世界全体の問題になっている。中でもプラスチック類は深刻で、南太平洋には「地球上で最も汚染された世界自然遺産の島」と呼ばれている島もある。飛島のボランティア活動から環境保全を学び、その意識を広げたい。
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飛島の西海岸は弓なりの地形と海流、季節風の影響で漂着ごみが堆積しやすい。2001年に始まった飛島クリーンアップ作戦は、開学した東北公益文科大学の学生、酒田市のNPO法人・パートナーシップオフィスなどによる実行委員会が、毎年5月下旬に実施している。実行委員会のホームページによれば、これまでの参加人数は累計4500人、回収量約48・5トンとある。
クリーンアップ作戦は人海戦術が頼り。回収したごみを港がある東海岸の勝浦港に運ぶには、波が穏やかなら小型漁船に積んで運ぶこともできるが、それができなければ波打ち際から約300メートル離れた道路まで、山の斜面をバケツリレー式で運ぶ。漂着ごみのうち木材類は拾って家庭用の燃料にした時代もあったが、それらに代わってプラスチック類、漁網などの漂着が多くなった。島の人口は150人余まで減り、高齢化率が77%余という状況では、島民による漂着ごみ処理はできない。
今年のクリーンアップ作戦の募集人員は、高校生以上から体力のある75歳ぐらいまでの100人。8日午前10時から9日午後5時まで受け付け、定員を超えたら抽選になる。参加費は船賃、昼食代含め一般2000円、学生1000円。問い合わせはパートナーシップオフィス=電0234(26)2381=へ。
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環境省が07、08年に飛島で実施した海洋ごみ削減と回収方法を探る調査では、島に流れ着くごみは年間十数トンと推計された。それらの6割から7割は内陸部が発生源。とりわけ微細になったマイクロプラスチックの多さが深刻だ。安易にごみを捨てることが、美しい海岸を汚し、生態系にも影響している。
飛島クリーンアップ作戦は全国の先駆けになり、09年に施行された「海岸漂着物処理対策推進法」につながった。同法の正式名は「美しく豊かな自然を保護するための海岸における良好な景観及び環境の保全に係る海岸漂着物等の処理等の推進に関する法律」。長文だが、美しい海を守ることに尽きる。漂着ごみを人ごとにしていては、いつになっても美しい海にはならない。
2023年(令和5年) 5月6日(土)付紙面より
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酒田市平田B&G海洋センターのヨット・カヌー場が3日、今季の営業を開始し、大勢の家族連れが新緑に囲まれた池にカヌーやボートなどで繰り出し、“水上散歩”を楽しんだ。
同センターは1987年5月、公益財団法人「ブルーシー・アンド・グリーンランド財団」(東京都)が海洋性レクリエーションの普及を図るため、飛鳥地区の体育館とプール、山谷地区のヨット・カヌー場の3施設を整備しオープン。90年11月に旧平田町に譲渡され、合併を経て現在は市が管理している。
このうちヨット・カヌー場は山谷地区にある大町溝土地改良区の農業用ため池「新溜」(広さ約5ヘクタール)に艇庫を整備し、毎年5―9月の日・祝日に営業している。新溜の堤体損傷でここ数年、北西約300メートルにある泉谷地(同約12ヘクタール)で運営してきたが、修復工事を終えて今季から新溜に再び戻った。
今季初日となった3日は午後1時から無料開放された。晴天に誘われて県内外から家族連れなどが次々に訪れ、カヌーや手こぎボートなどに乗り、陽光を浴びて輝く水面に繰り出し、新緑が濃くなった森を背景に悠々と水上散歩を楽しんでいた。
大型連休を利用し新潟市西区から酒田市砂越緑町の父親の実家に帰省中の齋藤遥加さん(9)、直樹君(6)のきょうだいは「ヨットは初めて。パドルをこぐと前に進むところが楽しかった。風も気持ちいい」と話した。
ヨット・カヌー場は9月24日(日)までの日・祝日に営業(夏休み期間中は土曜日も営業)。時間は午前9時―正午、午後1―4時。使用料は、半日単位で、OPヨットとカヌー、セールボードが大人420円(高校生以下220円)、ペアカヌーとローボートなどは同630円(同310円)。一人で乗船できるのは小学4年生以上。問い合わせは市平田B&G海洋センター=電0234(52)3284=へ。
湿地の自然 魅力体感 大山・下池 100人がボート体験
鶴岡市大山の下池で4、5日の両日、手こぎのボート体験が行われ、多くの家族連れが湿地の自然に触れた。
下池そばにある市自然学習交流館ほとりあ(富樫均館長)が企画。大山地区では、1960年ごろまで観光客向けに下池でボート体験を行っていた。ほとりあは同地区の文化と湿地の魅力を体感してもらおうと、毎年春と渡り鳥が飛来する前の秋に開催している。ボートは当時使っていた強化プラスチック製の小型ボート(長さ約2メートル)を活用した。
初日は市内を中心に20組、65人の家族連れが参加。緑が全面に広がる中、親子で協力してオールをこいだ。池の水に触れてみたり、高館山を背景に記念撮影する参加者も見られた。
家族4人で訪れた田中結菜さん(8)=同市平成町=は「水が冷たくて気持ちよかった。景色もきれいで楽しかった」と話した。
ボート体験は両日合わせて約100人が参加した。