2005年(平成17年) 8月24日(水)付紙面より
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鶴岡市は、北部保育園と心身障害児通園施設あおば学園を併設した「松原保育園」(仮称)を、同市宝町の「旧松原御殿」の建物を撤去した跡地に整備する。保育園と障害児施設の併設は同市で初の試み。9月末に着工し、来年4月のオープンを目指す。
現在、93人の園児が通う北部保育園は、宝町町内で1966年に開設され、老朽化が進んでいる。あおば学園は80年から同市藤沢の知的障害者授産施設・愛光園に併設されている。現在は鶴岡市などから43人が通園している。
新保育園の整備については、施設の老朽化による建て替えとともに、障害の有無を超えて子供たちが認め合う心をはぐくむという考えを盛り込んでいる。
旧松原御殿の約5200平方メートルの敷地に、木造平屋建て床面積1160平方メートルの園舎を建設する。保育園分は床面積約830平方メートル、あおば学園分は同約300平方メートル。両施設を渡り廊下でつなぎ、乳児室や0―5歳児の各保育室、遊戯室、プール、個別指導室やシャワー室、相談室などを「コ」の字型に配置する。
また、別棟で「地域交流室」を設置し、子供たち同士や地域との交流に活用するほか、茶室には松原御殿の瓦などを使用する。駐車場は35台分で、隣接する第五学区コミュニティセンターと共用する。総事業費は約4億5000万円。
新保育園は公設民営とし、指定管理者に運営を委託する。市社会児童課は「障害児施設との併設は市内で初めて。新保育園では障害の有無に関わらず、同じ施設で生活することでお互いを認め、理解する心を育てたい」と話している。
建設場所の旧松原御殿は、旧庄内藩主酒井家14代当主・忠宝(ただみち)公の住まいとして1880年に創建した。保育園建設に伴い、建物は撤去されたが、庭園は残されている。
新設される「松原保育園」(仮称)建設地