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2006年(平成18年) 4月1日(土)付紙面より

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経済・文化圏の復活探る 庄内?秋田コリドール フォーラムで意見交換

 北前船の航路として栄えた庄内―秋田の海岸線をコリドール(回廊)に見立て、経済・文化圏復活の道を探る「北前船コリドール構想『庄内=秋田』経済文化活性化フォーラム」が30日、酒田市公益研修センター多目的ホールで開かれた。県内外の経済人や評論家らによるパネルディスカッションなどを通じて、観光振興や新産業の創出など、両地域の夢あふれる未来を語り合った。

 北前船コリドールは、北前船を繁栄の象徴として、秋田から由利本荘、酒田、鶴岡へと連なる地域が県境を越えて協力し、人口80万の経済文化圏を構築しようというもの。作家で秋田公立美術工芸短大の石川好学長と東北公益文科大の小松隆二学長の2人の提唱に基づき、両地域で推進組織を結成し、世論の盛り上げを図っていく。

 この日はその第一弾で、北前船コリドール会議庄内地区委員会が主催、東北公益文科大、秋田公立美術工芸短大が共催した。両地域の政財界の関係者ら約550人が出席した。
 庄内地区委員会の新田嘉一代表のあいさつに続き、石川学長が「北前船コリドール構想の進め方」、小松学長が「庄内=秋田地域が日本を先導する時代」の各テーマで基調報告。「地方はこれまで東京ばかり見てきたが、まず地域が連携し、経済、文化の発信源になろう」(石川学長)など、構想の狙いを説明した。

 全日空の普勝清治最高顧問の来賓あいさつに続き、パネルディスカッションが行われた。石川学長がコーディネーターとなり、小松学長、荘内銀行頭取の町田睿氏、酒田市出身の評論家の佐高信氏、前ゴールドマンサックス投信社長の山崎養世氏、イマジニア社長の神蔵孝之氏、経済産業省産業再生課長の斎藤圭介氏の6人がパネリストとなり、「『庄内=秋田』の地域連携」のテーマで意見を交わした。

 神蔵氏はリゾート地に一定期間泊り込み、集中的に開発などを行う米国のIT企業のスタイルが国内でも浸透しつつある例を挙げ、「山形はインフラが整備されており、アドバンテージ(優位性)は高い」と可能性を指摘。山崎氏は「米国だけを相手にしていた時代から、中国などさまざまな国を相手にする時代になった。東京を経由する必要がなくなり、地方から直接、ロシアなどに行って仕事を取る時代」と地方の時代の到来を強調した。

 佐高氏は、以前から酒田にはロシア語教室があったなど開かれた風土を紹介し、「東京を介してでなく、地方と地方がつながるべき」と訴えた。

 そのほか、「英国では豊かな老後を送るための『年金村』が多い。商店街だけでなく、きれいな住宅街をつくるべき」(小松学長)、「農業、観光、医療・健康は三位一体」(山崎氏)、「庄内はいいものをもっているという自覚が大切」(町田氏)、「新しいものを思いついたら潜在的な需要が出てくる。みんなが競争しているものと違うものを考えては」(斎藤氏)など、活発に意見が交わされた。

 最後は石川学長が「北前船は今日復活し、酒田港を出発した。長続きするように、盛り上げていこう」と構想の推進を呼びかけた。5月初旬には秋田市で2回目のフォーラムを開く予定。
          

庄内、秋田の連携をテーマに活発に意見を交わしたパネルディスカッション
庄内、秋田の連携をテーマに活発に意見を交わしたパネルディスカッション



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