2006年(平成18年) 8月29日(火)付紙面より
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全国トンボ市民サミット庄内大会in鶴岡が26、27日の両日、山大農学部などで開かれ、「赤とんぼの里をめざして」をテーマに、観察会やシンポジウムを行い、トンボが生息できる庄内地域の自然環境などについて考えた。
サミットは1990年から全国各地で開催され、今年で17回目。庄内大会は、山大農学部の粕渕辰昭教授が実行委員長となって開催。以前に比べアカトンボの姿が少なくなっている庄内地域で、「夕焼け空に群れをなしてアカトンボが飛翔する庄内平野」を目指し開いた。
初日は、鳥海山や牛渡川、月山、山大農学部水田などで観察会を行い、2日目は山大農学部で有識者によるシンポジウムや基調講演が行われた。
シンポジウムには、全国各地から約70人が参加。鶴岡自然調査会の水野重紀さん、尾浦の自然を守る会の太田威さん、山大農学部の林田光裕助教授ら6人が講演した。このうち水野さんは「庄内のトンボについて」と題し、ホンサナエやオジロサナエなど、庄内地方であまり見かけなくなったトンボをスライドで紹介した。水野さんは「トンボが激減したのは、ため池はいつも満水状態だし、水田のほ場整備などで水辺がなくなったことが要因に挙げられる。また、温暖化の影響も考えられる。赤トンボは体温が40度を超えると死滅する場合もあるので、平野部から涼しい山に向うこともある」と解説した。
トンボが生息できる自然環境について考えたシンポジウム