2006年(平成18年) 11月25日(土)付紙面より
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地域特色を生かし個性豊かで、活力あるコミュニティ・暮らし・人づくり活動に取り組んでいる住民組織を表彰する「あしたの日本を創(つく)る協会」(本部・東京都千代田区、高岡完治理事長)制定の「あしたのまち・くらしづくり活動賞」の「まち・くらし活動部門・集団の部」で、酒田市子どもと白鳥を愛する会(板垣孝会長、会員199人)が全国3位にあたる「主催者賞」を受けた。表彰式は東京都内で来月4日に行われる。
同協会は「ふるさとづくり運動」を通し活力ある地域社会の創造を目指しており今年、創立50周年を迎えた。地域づくり活動の普及・推進を目指し「―活動賞」を制定している。「集団の部」には今回、100編余りの応募があり事前審査、現地審査を経て同愛する会が内閣総理大臣賞、内閣官房長官賞に次ぐ主催者賞を受賞した。
同愛する会は1993年、当時の酒田六中生徒会が同校近くを流れる幸福川で越冬する白鳥のため募金活動を繰り広げたことをきっかけに、「酒田市泉学区白鳥を愛する会」として設立。昨年5月、現在の名称に改めた。1998年に児童福祉のシンボルとして同川沿いに白鳥モニュメントを建立したほか、昨年3月には新井田川沿いに白鳥観察施設「自然学習舎・はぐくむ」を設置するなど、地域密着の諸活動を行っている。
また、板垣会長ら同愛する会役員らが各学校に出向いたり、同学習室を会場に、白鳥の生態や環境保全の必要性などを解説する「出前授業」を随時開催している。
活動賞審査員の1人で、災害対策研究所副理事長の中村八郎さんは「どこにでもある題材だが、子供たちに対し地道に環境教育をしている」と評価した。
板垣会長は「これまでの活動は次の時代に引き継ぐための環境整備が主だったが、今後は次の時代を担う人材の育成にも力を入れていきたい」と話している。
酒田市子どもと白鳥を愛する会が環境学習の拠点として整備した自然学習舎・はぐくむ=昨年6月