2008年(平成20年) 1月19日(土)付紙面より
ツイート
酒田市立十坂小学校(小松恒彦校長、児童352人)の6年生が18日、市役所の市議会本会議場で模擬議会を行い、架空の「とさか市クロマツ保全条例」の審議を通じて、市議会や税金が使われる仕組みなどを体験的に学んだ。
この模擬議会は、同校が6年生の社会科の単元「私たちの生活と政治」の一環で、2006年から市議会の協力で実施している。今年は、6年生62人が「とさか市」の市議36人、市長や農林水産部長ら当局26人に分かれ、条例の提案や経済常任委員会への付託、本会議での討論、採決など、本物の市議会と同様の流れに従って、審議を体験した。
提案された条例は、クロマツ保全に向け、市民のボランティア活動や市の予算措置など、市民や市の責務を定めたもの。十坂小が学校周辺でクロマツの保全活動に取り組んでいることにちなみ、身近な地域課題を解決する仕組みとしての議会や行政が分かりやすいようにと、選ばれたテーマだ。
本会議の討論では、議員役の児童が「市民共通の財産であるクロマツを守り育てる先進的な取り組みで、賛成」「クロマツはもともと、行政で管理すべきもの。予算的に厳しいからといって、ボランティアの手を借りる条例には反対」と熱弁を振るった。起立採決の結果、条例は賛成多数で可決された。
議長役を務めた後藤滉平君(12)は「大役で緊張したが、達成感がある。難しい言葉が出てきたが、学級会でクラス内の決まりを決めるように、市議会で市の決まりを決めることがよく分かった」と感想を話した。
「とさか市」市議などとしてクロマツ保全条例を審議する十坂小の児童たち