2008年(平成20年) 1月20日(日)付紙面より
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鶴岡市黒川地区で19日、黒川能最大の祭り・王祇(おうぎ)祭で振る舞われる凍(し)み豆腐料理の仕込み作業「豆腐焼き」が上座と下座の両当屋で行われた。
黒川能の奉納上演の舞台が設けられる上座・下座の当屋で幕間などに振る舞われる凍み豆腐は祭りの名物。大量の豆腐を使うことから、王祇祭は別名を「豆腐祭り」とも呼ばれる。今年の当屋は上座が渡部孝さん=椿出、屋号・権左衛門=、下座が清和庄右衛門さん=大杉、屋号・庄右衛門。両当屋では18―20日の3日間、親類や近所の人たちが交代しながら豆腐焼き作業に追われた。
このうち渡部さん方では、おからを使って組まれた大きな囲炉裏(いろり)へ豪快にまきがくべられ、周りにはくしに刺した豆腐がずらりと並んだ。作業する人たちは段ボールやタオルで炎の熱さを防ぎながら、「これ返していいぞ」と竹ざおで向かいの人に合図するなどし、こんがりきつね色の豆腐に仕上げていた。
王祇祭で振る舞われる凍み豆腐料理の仕込み作業の「豆腐焼き」が行われた=上座の渡部さん方