2008年(平成20年) 1月25日(金)付紙面より
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健康野菜として注目を集めるヤーコンの産地化を目指している鶴岡市櫛引地域で23日、小中学校の給食にヤーコンを使った「くしびきのヤーコンカレー」が初めて登場した。
ヤーコンは南米アンデス原産のキク科の植物。サツマイモ状の塊根や茎葉にポリフェノールが大量に含まれており、老化やがん、動脈硬化の予防につながるとされる。
櫛引地域では7、8年ほど前からヤーコンの試作的な栽培が始まり、3年前に「ヤーコン栽培研究会」(畑山力会長、会員24人)を設立。田代や宝谷、■代地区などを中心に栽培が進められている。櫛引農工連が昨秋から年末まで集荷したヤーコンは約14トンだが、栽培農家の中には産直施設に持ち込む人や自家用に作る人もおり、総生産量は年々増加しているという。
また、同地域のヤーコン栽培は今年度、県の食産業クラスター創造「食農連携プロジェクトシーズ熟成」事業に採択され、栽培技術の確立による高品質、安定生産を図るとともに、新たな加工技術と加工品開発に取り組んでいる。
これを踏まえ、子供たちが大好きなカレーにヤーコンを取り入れる企画が持ち上がり、地域内の3小学校、1中学校で給食メニューに取り入れることが決まった。
この日、小中学校の給食用に準備されたヤーコンは計36キロ分。このうち櫛引南小学校(布川和則校長、児童80人)では、全校児童が多目的ホールに集まり「いただきます」の合図とともに一斉にヤーコンカレーを口に運んだ。児童たちからは「ナシやニンジンみたいに甘い」「シャキシャキしてとてもおいしい」と好評で、「また食べたい」と話す児童もいた。
県庄内総合支庁農業技術普及課では「ヤーコンは11月ごろまで収穫され、しばらく置いておくと甘みが増す。今後もこの時期限定のメニューとして使うことができそうだ。さらに新しい加工技術と地元消費を図り、生産力向上につなげてほしい」と話していた。
※■は木偏に荒(たらのき)
「とってもおいしいよ」。ヤーコンカレーをほおばる児童たち