2008年(平成20年) 10月23日(木)付紙面より
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わが子たちの魂を揺さぶるような合唱を歌いたい―。鶴岡一中の保護者たちが混声合唱団を結成し、31日に開かれる同校の合唱コンクールへの特別出演に向け練習に励んでいる。合唱曲は「大地讃頌(さんしょう)」。親の歌声で子供たちに感動を与えたいと意欲満々だ。
学校祭の一環としてクラス対抗で、鶴岡市文化会館を会場に行っている合唱コンクールは同校の伝統行事。生徒の合唱部も全国大会に6度の出場を果たすなど、「歌声の響き渡る学校」「合唱の鶴一中」と評されている。
この伝統を踏まえ親たちが「子供たちと同じ目線で学校行事に参加して熱くなろう」と、今夏に保護者混声合唱団の結成を決め、参加者を募った。男性20人、女性66人の計86人が集まり、9月から週1回のペースで夜に音楽担当教師の指導を受けながら練習を重ね、本番を目指している。
21日夜は同校音楽室で1時間にわたって全体練習。教師のユーモアたっぷりの指導に、笑い声が沸く和やかな雰囲気の中、4つのパートのハーモニーに磨きをかけた。団名はこの日、イタリア語で甘い、優しい、柔らかいといった意味を持つ「ドルチェ」に決めた。
大地への祈りをささげる混声4部合唱の「大地讃頌」は、毎年のコンクールで3年生が歌う課題曲で、同校を卒業した保護者たちも中学時代に合唱を経験しており、同校の定番曲ともなっている。
保護者の合唱団が同校のコンクールに出演するのは初めてという。指揮者を務めるPTA会長の小島敏明さん(48)は「合唱の一中と言われるこの学校のOBも多く、保護者だけの合唱団としてはレベルが高いと思う。子供が成長していく姿が親に感動を与え、親も育つ。子供たちへの感謝の気持ちも合唱で伝えたい」と意気込む。保護者合唱団は来年度以降も継続する予定で、小島さんは「鶴岡一中は県内屈指の大規模校。合唱の活動を通じて保護者間の交流ときずなも深めていきたい」と話している。
「子供たちに感動を」と練習を重ねる鶴一中保護者混声合唱団=21日
2008年(平成20年) 10月23日(木)付紙面より
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鶴岡市大山の上池と下池が21日付の官報告示で、国の鳥獣保護区・同特別保護地区に指定された。これで、水鳥の生息地として国際的に重要な湿地を保護するラムサール条約登録に必要な手続きが整い、新潟県の瓢湖など3カ所とともに、28日から韓国・昌原で開かれる同条約締結国会議で、上池・下池が正式に登録される。
同条約は、水鳥が生息する湿地保全などを目的とする国際条約で、国内では33カ所が登録されている。
上池と下池には毎年、2―3万羽のマガモや1000―3000羽のコハクチョウ、国の天然記念物のヒシクイやマガンなどが越冬のため飛来し、環境省の「日本の重要湿地500」にも選定されている。同省は昨年末、地元の合意が得られれば、登録への手続きを進めたいと地元に打診。県や市などと準備を進めてきた。
登録は、国が官報にラムサール条約湿地指定を告示した後、スイスにある同条約事務局に通告し、事務局の登録簿に記載され決定する。韓国で開催される条約締結国会議の会期中の30日、事務局から登録証が交付される運びとなっている。
これに合わせ、登録地の自治体となる鶴岡市は、神尾幸市議会議長を団長とし、池を管理する土地改良区、大山自治会、大山観光協会、商工団体など地元の代表者ら8人を韓国に派遣。ラムサール条約登録証の授与式に臨む。
鶴岡市大山の上池・下池が国の鳥獣保護区・特別保護地区に指定。ラムサール条約に登録される運びとなった=下池