2009年(平成21年) 3月21日(土)付紙面より
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鶴岡市羽黒町の出羽三山神社神職養成所の「卒業禊(みそぎ)」が20日、羽黒山中の祓(はらい)川で行われ、神主として巣立つ卒業生らが冷水に入る荒行で修行を締めくくった。
同神社は古くから神職の養成に取り組み、1962年から神社本庁承認の養成所を開設している。2年間の課程で神職の専門知識を学ぶとともに、山伏修行なども積む。本年度の卒業生は20―30代の男女2人。この日は修了生4人と教官の神職ら計10人とともに禊に臨んだ。
午前7時半すぎ、白装束にわらじ姿で羽黒山頂を出発。国宝・五重塔近くの祓川に到着すると、「エイホ、エイホ」の掛け声で準備体操をして気合を込めた後、男性は下帯、女性は白装束のまま川へ入った。
例年より気温は高いとはいうものの、雪解けで増水した濁流がごう音を立てる中、胸までつかり竹の梵天を支え合いながら唱えごと。10分ほどで川から上がると全身が真っ赤に染まっていた。
女性でただ1人参加した卒業生の延沢麻衣子さん(25)=尾花沢市出身=は「冷たいと感じる余裕もなく、一心に神様の名前を唱えた。卒業禊を終え、充実感でいっぱい」と、晴れやかな顔を見せた。
濁流が渦を巻く中、雪解け水に胸までつかり卒業禊に挑む卒業生ら