2009年(平成21年) 4月1日(水)付紙面より
ツイート
促成栽培の春キュウリの収穫が鶴岡市で始まり、農家がハウスの中で朝早くから収穫作業に追われている。
全国的には年間を通して出回っているキュウリだが、庄内では冬場はオフシーズン。キュウリは水分の含有量が多く、鮮度が食感に大きく影響するため、地物へのニーズは高い。
鶴岡市小淀川の佐藤昭子さん(57)のガラスハウスでは、3月20日から収穫が始まった。原油高に見舞われた昨年は、コスト削減のため定植時期を2週間ほど繰り下げたが、今年は例年並みの2月中旬に行った。「燃料費が去年の半額以下なので助かる」と佐藤さんは胸をなで下ろす。降雪などで寒暖の差が広がり、キュウリの生育スピードが鈍り、現在の収穫量は開始時期より2割余り少なめの1日600本ペースにとどまっている。
収穫は毎朝午前5時半ごろに始まる。20センチほどに成長し、緑に色づいたものを選別してはさみで切っていく。佐藤さんは「漬物やサラダはもちろん、夏になると夕顔と同じようにいため物にしてもおいしい」と話す。
佐藤さんの朝もぎキュウリは、地名を入れて鶴岡市内の3店舗の産直施設で販売しているほか、収量が増えれば生協の店頭にも並ぶ。みずみずしい朝取りキュウリは消費者にも人気で、扱っている産直施設の一つ「しゃきっと」では午前中で売り切れる日が多いという。
県外産とは鮮度が違う地物の春キュウリの収穫が始まった