2009年(平成21年) 4月4日(土)付紙面より
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温泉のお湯を利用して種もみを発芽させる芽出し作業が、鶴岡市湯田川の鶴岡市農協湯田川催芽場で始まった。
お湯を使った芽出しは、江戸時代後期の1848(嘉永元)年に当時の湯田川村の大井多右衛門が始めたとされ、地元の由豆佐賣(ゆずさめ)神社に功績をたたえる石碑が残されている。現在は温泉街北側の催芽場のコンクリート水路にお湯を引き込み、毎年この時期に芽出し作業が行われている。
各農家が事前に袋詰めして10日ほど水につけておいた種もみを、催芽場で32―33度のお湯に約12時間浸けた後、催芽場に渡した板に乗せてコモをかけ、さらに半日ほど蒸して発芽を促す。機械を使った芽出しに比べコストが安く、発芽が均一になり苗作りが楽になるなどのメリットがある。
作業は2日にスタート。午前8時と午後1時の2回にわたり、種もみをお湯に浸す作業が進められた。同農協によると、今年は庄内一円と新潟県村上市などの農家約1000戸から、はえぬきを中心にコシヒカリなど計約200トンの種もみの芽出し作業が行われる予定で、ピークを迎える6―10日は合わせて約100トンが持ち込まれるという。
鶴岡市湯田川の催芽場で種もみを詰めた袋が次々とお湯に浸けられた