2009年(平成21年) 4月11日(土)付紙面より
ツイート
庄内地方の砂丘地で、春の山菜として注目されつつあるアマドコロが収穫期を迎えている。
アマドコロはユリ科の多年草。庄内では4月中旬から末にかけて、スイセンに似た若芽が顔を出す。葉が開く前に根元から切り落とし、茎はゆでて、若芽は天ぷらなどにして食べる。
全国の山林や丘陵地に自生し、庄内では酒田市の川南地区から遊佐町にかけての砂丘地に自生している。茎はアスパラを軟らかくしたような食感で、山菜に特有の苦みがある。近年は産直施設にも並ぶようになり、素材として注目する料理店も出てきた。乾燥させて粉末にしたものは滋養強壮、老化防止の薬草としても使われている。
酒田市浜中から十里塚の砂丘地にも自生し、地元のほか秋田県や内陸地方からもアマドコロを採りに多くの人が訪れる。
酒田市十里塚地区の砂丘地も9日、アマドコロを摘みに来る人でにぎわった。国道112号沿いの山林に来ていた三川町の女性は「昨年、道路端で採っている人を見てアマドコロを知った。スーパーに並んでいたので、もう出たかなと思って来てみた」と笑顔を浮かべながら手で摘み取っていた。
山林の所有者によると、今年は例年より1週間ほど早く芽を出し、今月末ぐらいまで収穫できそうだという。
「春の味」として人気が出てきたアマドコロが収穫期を迎えた