2009年(平成21年) 4月15日(水)付紙面より
ツイート
鶴岡市の朝日、温海両地域の農林産物を集荷して市街地で販売する「森の産直カー」の運行が13日に再開され、シーズンが到来した山菜を買い求める多くの市民でにぎわった。
この日は、2台ある産直カーのうち「あつみ号」が運行され、由良、鳥居町、本町二丁目の3カ所を回った。このうち、本町二丁目の南銀座商店街では、ほぼ1カ月ぶりの再開に顔なじみの主婦たちが「待ってましたよ」と販売員に声を掛け、笑顔のやりとり。タラの芽やコゴミ、行者ニンニク、セリなどの山菜、赤カブ漬け、ハタハタの干物やアオサ、トチの実、草もちなどを品定めしながら、袋いっぱいに買い込んでいた。
多めに購入した人には「おまけ」のサービスも。近くの70代の女性は「採れたての春の山菜は、みずみずしくて見ているだけでうれしくなる。また、季節ごとに届けられる野菜を楽しみにしたい」と話した。
森の産直カーは、国が昨年度創設した「地方の元気再生事業」の採択を受け、社会実験事業として昨年10月にスタート。「あさひ号」「あつみ号」が場所と曜日を決めて運行され、初年度は3月下旬まで販売が行われた。
2年目の本年度も市などが、国に事業採択を申請しているが、決定は6月上旬の見通し。採択が正式に決まってからの再開では、両地域の最大の売り物である山菜のシーズンを逃すことになるため、運行を担う両地域の団体が自主運営で産直カー事業を再開した。
4月から3カ月間のスケジュールは、あさひ号が火、水、木、あつみ号が月、火、金の運行で、それぞれ週に延べ8カ所を回る。5月までの2カ月間は、土日に交代で同市布目の庄内観光物産館でも販売を行う。
再開した森の産直カー。みずみずしい山菜が人気を集めた=13日、鶴岡市本町二丁目