2009年(平成21年) 6月3日(水)付紙面より
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酒田市飛島出身者を中心とする中型イカ釣り船団「山形船団船友漁労長会」(本間健船団長)の出航式が2日、酒田港袖岡ふ頭で行われ、同船団のうち7隻が大勢の市民らに見送られ、約半年間の漁に出発した。
本県、北海道、石川県各船籍の160―180トン級の中型船団で、漁獲量は全国トップクラス。6月初旬から12月初旬にかけ最初は庄内沖や能登半島沖、その後は日本海中部の漁場・大和堆、9月以降はロシア海域や太平洋でスルメイカ(真イカ)を追う。
イカ釣り漁を取り巻く状況は現在、▽乗組員の高齢化と後継者不足▽地球温暖化に伴う魚場の不安定化▽魚価の低迷と原油などコスト高―などにより厳しさが増しているという。同船団には今シーズン、昨シーズンより1隻少ない15隻が加入。昨シーズン同様、インドネシアからの漁業研修生も乗り組んだ。
出航式は、市と県漁業協同組合(五十嵐安哉組合長)の主催。乗組員とともに見送りの市民らが大勢参加した。阿部寿一市長が「出航式は酒田の初夏の風物詩。大漁と航海安全を祈る」、五十嵐組合長が「イカを満タンにして帰港し、酒田ににぎわいを」とそれぞれ激励。これを受け本間船団長は「『酒田はイカの町』と言われるように、船団が一丸となって努力してくる。大漁と航海の安全を誓う」と決意表明した。
正午すぎ、汽笛を鳴らしながら出航。市民らは、船と結んだ五色のテープを手にし、「頑張ってこいよ」「いってらっしゃい」と声を掛けていた。
大勢の市民らに見送られイカ釣り船が出航