2009年(平成21年) 6月4日(木)付紙面より
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鶴岡市日枝の上山王日枝神社(田村哲夫宮司)で3日、例大祭が行われ、旧庄内藩主酒井家奉納の火縄銃による奉納演武、氏子たちがご神体の「お鉾(ほこ)様」を掲げながら地区内を練り歩く「お鉾立ち」の神事などが行われた。
同神社は、用明天皇時代の585年に東北鎮護のために祭られたと伝えられる。祭神は大己貴命(おおなむちのみこと)、山末之大主命(やますえのおおぬしのみこと)、市杵島姫命(いちきしまひめのみこと)の三神。1611(慶長16)年に最上義光によって再建され、現拝殿は1843(天保14)年に建立された。例大祭は、氏子たちが「郷方」と「町方」に分かれ、毎年持ち回りで当屋を務める。今年の郷方の当屋は佐藤万吉さん(小淀川)、町方は五十嵐邦男さん(新海町)。
この日は本祭祭典に続き、午前11時すぎから境内で砲術の奉納演武。同神社の火縄銃は明治初期に酒井家から奉納されたもので、1986(昭和61)年に拝殿屋根裏に8丁が保管されているのが見つかった。これを修復し、昨年の例大祭から荘内藩荻野流砲術隊(五十嵐繁康隊長)によって奉納演武されている。
演武では、同砲術隊8人が4人ずつ2隊に分かれ、五十嵐隊長の号令の下、「立ち」「膝」「腰」の構えで点射、斉射を次々に披露した。境内には氏子や近隣から見物客が大勢訪れ、ごう音とともに白煙が上がるたびに拍手を送っていた。
午後5時半からは、当屋に渡っていたご神体を神社に迎える「お鉾立ち」の行列がそれぞれの当屋を出発し、ちょうちんなどを掲げた氏子たちが謡とともに当屋のある地区内を練り歩き、その後、小真木原総合運動公園前で合流、参道をくねり、神社に納める。
上山王日枝神社の例大祭で砲術演武が奉納された