2009年(平成21年) 6月6日(土)付紙面より
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庄内三大祭りの最後を飾る「大山犬祭り」が5日、鶴岡市大山地区で繰り広げられた。主役のメッケ犬をかたどった犬みこしや華やかな「からぐり山車」などが地区内を威勢良く練り歩き、尾浦の里は祭り一色に染まった。
「犬祭り」は地区内の椙尾神社の例大祭で約300年以上の歴史があるとされる。その昔、地区民を苦しめた大ムジナの化け物を「丹波の国のメッケ犬」が退治した―との伝承をもとに、犬を主人公にした全国でも珍しい祭り。「酒田まつり」(5月20日)、「天神祭」(同25日)とともに庄内三大祭りに数えられる。
今年は、メッケ犬伝説に由来する人身御供「仮女房」を中心とした大山、上、下の3つの神宿(頭屋)の総勢1000人余りの行列が、地区内を練り歩きながら椙尾神社を目指した。
法被姿の子供たちが元気良く犬みこしやミニからぐりなどを引き、晴れ着姿の女児行列、中学生による奴振りなどが見物客の目を引いていた。また、男衆が中心の呼び物のからぐり山車は「高館」が歌舞伎の「六歌仙容彩黒主(ろっかせんすがたのいろどりくろぬし)」、「尾浦」が同じく歌舞伎の「佐倉義民伝」のそれぞれ華やかな飾りが施され、子供たちが引くミニからぐり「めっけ」の「さるかに合戦」とともに、「ソーレ、ソーレ」の掛け声に合わせて豪快に引き回し、祭りに花を添えた。
この日は雲に覆われる天候となったが、大勢の見物客が訪れた。酒どころの大山らしく、沿道では地酒が振る舞われ、見物客も行列の参加者も酒を酌み交わしながら心行くまで祭りを満喫していた。
「からぐり山車」を男衆たちが豪快に引き回し、沿道を埋めた見物客を楽しませた