2009年(平成21年) 8月11日(火)付紙面より
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鶴岡市出身の紙芝居師・安野侑志さん(65)=大阪府能勢町=を招いた「紙芝居口演会」が8日、同市山王町の山王日枝神社社務所で開かれ、安野さんの楽しい紙芝居と語り口が訪れた親子連れたちを魅了した。
昔懐かしい紙芝居を“口演”する劇団創設を目指して鶴岡市の有志でつくる「創作紙芝居劇団だだちゃ豆旗揚げ準備会」が、年内の旗揚げに向け団員募集の説明会を兼ねて開いた。
安野さんは鶴岡市生まれ。1972年に当時全国で大阪府だけに残っていた紙芝居業者免許を取得。京都・清水寺などで口演を続けているほか、全国を巡業し、「ヤッサンの紙芝居」として親しまれている。創造学園大客員教授、財団法人大学コンソーシアム京都・京カレッジ担当教員なども務めている。
この日は親子連れなど約30人が訪れた。安野さんが拍子木を鳴らして始まりを告げ、数十年前に作られたクイズ形式の紙芝居「ちえの泉」や「黄金バット」など古い作品のほか、最近の創作紙芝居や「言葉のない紙芝居」などを口演。観客を巻き込みながら進める安野さんの見事な語り口に子供たちはもとより、大人たちも引き込まれていた。
口演の後、旗揚げ準備会代表の中村恵二さんが劇団の概要を説明。安野さんを講師に招いて来月から月1回程度の勉強会を開き、物語の構成や絵の描き方、子供たちの心をつかむ演じ手のテクニックを学ぶことや、活動の場として商店街やコミセンのイベント、福祉施設などを想定していることを伝え、「だだちゃ豆や赤かぶといった地域のものをキャラクターにした創作紙芝居を作りたい。絵が描ける、しゃべりが上手など得意な分野がある人はぜひ劇団に参加してほしい」と呼び掛けた。
また、紙芝居作りについて安野さんは「最初から大きなサイズの紙芝居を作ろうと思うと大変。まずははがきサイズで描き、上演すると決まったらカラーコピーで拡大するのも一つの方法」などとアドバイスした。
安野さん(右)が参加者たちを紙芝居の世界に引き込んだ