2025年4月15日 火曜日

文字サイズ変更



  • プリント用表示
  • 通常画面表示

荘内日報ニュース


日付の新しい記事へページを移動する日付の古い記事へ
  • ニューストップ
  • 最新記事
  • 戻る

2009年(平成21年) 8月19日(水)付紙面より

ツイート

直線と曲線紡ぎ出す芸術 名誉市民彫刻家 富樫実さんの作品130点

 鶴岡市は9月1日から、同市櫛引地域出身で名誉市民の彫刻家・富樫実さん(京都府在住)の作品「空(くう)にかける階段」の貸し出し事業をスタートさせる。貸し出すのは富樫さんから寄贈され同市が所蔵する作品のうち130点。対象は市内の小中学校や公共的施設のほか、金融機関やホテルのロビー、福祉施設など多くの市民が集まり鑑賞できる場所。同市で申し込みを受け付けている。

 富樫さんは1931年、旧櫛引町桂荒俣生まれ。庄内農学校(現庄内農業高)卒業後、佐久間白雲(高村光雲の孫弟子)の下で仏像彫刻を学ぶ。山添高に入り直し、京都市立美術大(現京都市立芸術大)彫刻科卒。その後、フランス政府給費留学で国立パリ美術学校に学び、67年、同政府賀状コンクールで大賞に輝く。93年に京都府文化功労賞、96年に京都美術文化賞・京都市文化功労者表彰を受賞するなど、日本を代表する彫刻家として国内外で活躍している。成安造形大(滋賀県大津市)名誉教授。

 富樫さんの作品のタイトルはすべて「空にかける階段」。64年から制作を開始し、直線と曲線を厳しく突き詰め、存在する空間と見る側の創造力によって作品が表現する美しさを進化させている。作品は庄内空港や同市美咲町、櫛引地域など市内各所にモニュメントとして設置されている。

 今回の貸し出しは、より多くの市民に富樫さんの作品の芸術性を伝えようと実施する。昨年11月に寄贈された100点と、櫛引町当時に贈られた70点のうち30点の計130点。作品はケヤキなどの木製、御影石などの石製が中心。貸し出しは無料。期間は原則1年間だが更新も可能。

 貸し出しを前に今月7日には櫛引公民館に全作品130点を展示し、市内の小中学校長らを対象にした内覧会を行ったほか、8日から4日間は市民向けの特別公開も実施。すでに小中学校5校、商工会や老人施設など4団体から作品借り受けの申し込みがあるという。

 担当の櫛引庁舎総務課では「貸し出し事業は富樫さんの希望でもある。直線と曲線が紡ぎ出す芸術を間近で体感してもらえれば」と話している。問い合わせは同課=電0235(57)2111=へ。

9月から貸し出し事業が始まる富樫さんの彫刻作品=今月8日から11日まで行われた特別公開
9月から貸し出し事業が始まる富樫さんの彫刻作品=今月8日から11日まで行われた特別公開



日付の新しい記事へページを移動する日付の古い記事へ

記事の検索

■ 発行月による検索
年  月 

※年・月を指定し移動ボタンをクリックしてください。
※2005年4月分より検索可能です。

  ■ キーワードによる検索
   

※お探しのキーワードを入力し「検索」ボタンをクリックしてください。
※複数のキーワードを指定する場合は半角スペースを空けてください。

  • ニューストップ
  • 最新記事
  • 戻る
ページの先頭へ

ニッポー広場メニュー
お口の健康そこが知りたい
気になるお口の健康について、歯科医の先生方が分かりやすく解説します
鶴岡・致道博物館 記念特別展 徳川四天王筆頭 酒井忠次
酒井家庄内入部400年を記念し、徳川家康の重臣として活躍した酒井家初代・忠次公の逸話を交え事績をたどる。
致道博物館 記念特別展 第2部 中興の祖 酒井忠徳と庄内藩校致道館
酒井家庄内入部400年を記念し、庄内藩中興の祖と称された酒井家9代・忠徳公の業績と生涯をたどる。
致道博物館 記念特別展 第3部 民衆のチカラ 三方領知替え阻止運動
江戸幕府が3大名に命じた転封令。幕命撤回に至る、庄内全域で巻き起こった阻止運動をたどる。
致道博物館 記念特別展 第4部 藩祖 酒井 忠勝
酒井家3代で初代藩主として、庄内と酒井家400年の基盤を整えた忠勝公の事績をたどる。
致道博物館 記念特別展 第5部 「酒井家の明治維新 戊辰戦争と松ケ岡開墾」
幕末~明治・大正の激動期の庄内藩と明治維新後も鶴岡に住み続けた酒井家の事績をたどる。
酒井家庄内入部400年
酒井家が藩主として庄内に入部し400年を迎えます。東北公益文科大学の門松秀樹さんがその歴史を紹介します。
続教育の本質
教育現場に身を置く筆者による提言の続編です。
教育の本質
子どもたちを取り巻く環境は日々変化しています。長らく教育現場に身を置く筆者が教育をテーマに提言しています。
柏戸の真実
鶴岡市櫛引地域出身の大相撲の元横綱・柏戸の土俵人生に迫ります。本人の歩み、努力を温かく見守った家族・親族や関係者の視点も多く交えて振り返ります。
藤沢周平の魅力 海坂かわら版
藤沢周平作品の魅力を研究者などの視点から紹介しています
郷土の先人・先覚
世界あるいは全国で活躍し、各分野で礎を築いた庄内出身の先人・先覚たちを紹介しています
美食同元
旬の食べ物を使った、おいしくて簡単、栄養満点の食事のポイントを学んでいきましょう
庄内海の幸山の幸
庄内の「うまいもの」を関係者のお話などを交えながら解説しています

株式会社 荘内日報社   本社:〒997-0035 山形県鶴岡市馬場町8-29  (私書箱専用〒997-8691) TEL 0235-22-1480
System construction by S-Field