2009年(平成21年) 6月12日(金)付紙面より
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酒田市の松原小学校(今野修校長)の6年生106人が、同市に江戸時代から伝わる土人形「鵜渡川原(うどがわら)人形」に関し学んでいる。同人形の伝承活動を展開する「鵜渡川原人形伝承の会」(高瀬靖会長)のメンバーの指導で人形作りや歴史や沿革なども学習、来年1月には自らまとめ、成果を発表する。
同人形は江戸時代末期、旧鵜渡川原村(現在の酒田市亀ケ崎一丁目)で鋳物工場を営んでいた大石助右衛門が作り始めたとされる。鋳物の技術を用いて型を製造し人形を制作。地名から「鵜渡川原人形」と呼ばれ、鮮やかな色使いが特徴。安価で購入できる庶民の人形として親しまれてきた。
同校6年生の学習は5月20日に1回目が行われ、伝承の会の高瀬会長が土人形の歴史と沿革について解説。2回目は、型に粘土を押し込み原型を製作する「人形起こし」作業を体験した。3回目の6月11日は起こした人形への胡粉塗り作業と、人形に関する講演が行われた。大石家子孫のやゑさんから人形作りの指導員認可を受けた伝承の会の本間光枝事務局長と松浦正子さんの2人が「乾いたら塗る、を3回繰り返して」「顔はとくに丁寧に」などと指導、児童たちは真剣な表情で作業に当たった。児童たちは「胡粉はどこで売っているのか」などと質問、本間事務局長は「一般的には画材屋で購入できるが、薬局でも取り扱っている」と答えていた。
本間事務局長(右)の実演を交えながらの講話を聞く児童たち=11日
2009年(平成21年) 6月12日(金)付紙面より
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2011年4月のオープンを目指す日本海総合病院(酒田市あきほ町、栗谷義樹理事長・病院長)の増築・改修工事安全祈願祭が11日、同病院西側の現地で行われ、施設の無事完成と工事中の無事故を祈った。
同病院は、県立日本海病院として1993年6月に12診療科、207床で開院した。その後、循環器科などの診療科を増やし、ベッドも増床。昨年4月には市立酒田病院(現日本海総合病院酒田医療センター)と経営統合し、併せて運営主体を県と市による地方独立行政法人にした。
その際の計画で、日本海総合病院は急性期医療に対応する病院として救急や高度医療を集約、病床も新たに120床増やし648床にする一方、酒田医療センターは亜急性期医療を担う施設とし、東棟を改修して110床程度の病棟に再整備することとした。
今回の増築は計画実現に向けた一環。病院西側に鉄筋コンクリート造り7階建て、延べ床面積約1万5600平方メートルの建物を造り、救急救命センターや外来診察室、病棟などを設ける。これにより外来ブースは従来の36から50に、手術室は7から12に、内視鏡検査室は3から8にそれぞれ拡充。また、検査機能の増強や分娩室などの増改築を行うほか、療食施設、医局、霊安室などを充実させる。総事業費は約50億円。当初計画には入っていなかったが、新たにヘリポートの整備計画も加えられた。
安全祈願祭には関係者約80人が参列。栗谷理事長がくわ入れ、阿部寿一市長らが玉ぐしをささげ、工事の安全を祈った。終了後、栗谷理事長が「通常の病院業務を行いながらの工事になる。私どもも無事完成できるよう協力する」とあいさつした。
西南西から見た完成予想図。手前が増築部分