2009年(平成21年) 6月20日(土)付紙面より
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酒田市の北平田小学校(石堂與子校長)の6年生16人が18日、同校に隣接する水田で「田んぼの生き物調査」を実施した。この日、発見できた生物はカエル、イトミミズなど。児童たちは9月にも再度、調査し今回のデータと比較することにしている。
さまざまな生物がいるところは人にとっても住みやすい場所であることを学んでもらうとともに、調査を通し環境に優しい地域づくりを図るため、市北平田地区農業振興協議会(佐藤好博会長)が同校と人間・生物双方に優しい農業の輪を広げようと諸活動を行っているNPO法人「生物多様性農業支援センター」(本部・東京都町田市、原耕造理事長)の協力で企画した。
調査内容は、同法人が世界各地で展開しているマニュアルに基づき、肥料や除草剤の散布量で変化するpH値、電気伝導度、水温などの水田環境、水田では食物連鎖の最上位に位置するカエル、同じく最下位のイトミミズの生息数など。
児童たちは原理事長から調査手法などを聞いた後、同校南側に隣接する岡部博さん方の水田10アールで調査。あぜ道でカエルを探したり、泥の中に網を入れるなどし生物がいるかどうか調べた。
その結果、カエル、イトミミズのほか、ザリガニ、ヤゴなど計21種の生物が見つかった。児童の1人、渋谷大河君(11)は「ザリガニが発見できてうれしい。これから農薬などをあまり使わないよう大人に呼び掛けていきたい」と話し、原理事長も「最近は全国的にトンボの生息数が減っている。そのためか、食物連鎖でトンボの下位に位置するやぶ蚊が増えている。生態系は1つでも欠落すると、人の生活に支障が及ぶということを知ってほしい」と話していた。
はだしで水田に入り生物の生息調査などを行った
2009年(平成21年) 6月20日(土)付紙面より
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東方水上シルクロード貿易促進協議会の訪中団(団長・新田嘉一平田牧場会長)が17日、中国・黒龍江省ハルビン市から帰国した。今回は、昨年に引き続き県産米を輸出する契約を結んだほか、本県からは初めてとなる魚介類と果物の輸出契約を締結するなど、画期的な成果を挙げた。
新田会長らは14日に中国入りし、県内の20企業・団体を含む68カ国・地域が出展した第20回ハルビン国際貿易商談会を視察。また、吉村美栄子知事とともに栗戦書同省人民政府省長らと会談した。
輸出入契約の調印は15日、吉村知事ら立ち会いの下でハルビン市内のホテルで行われた。相手は昨年初めて、県産米18トンの輸出入契約を結んだ同省最大の不動産建設管理企業で大型スーパーなども展開しているハルビン電地産置業有限公司(桑洪会長)。
今回は県産米10トンのほか、日本海水産(酒田市、大川賢一社長)がサケ、カニ類など魚介12トン、庄内地域の各農協が庄内産のナシとリンゴ計5トンを輸出する契約を新たに締結した。具体的な輸出入時期などについては、双方の関係機関で協議して決める。一方、平田牧場(酒田市、新田嘉七社長)は、同省産トウモロコシ3000トンの売買契約を交わした。
果物の輸出について庄内みどり農協の阿部茂昭組合長は「昨年のコメに続き画期的なこと。日本産果物の品質、味の良さは知られており、価格が高くても売れる可能性は高い。新鮮さの保持など課題はあるが、各農協が協力し“オール庄内”で調査、工夫しながら対応したい」と述べた。
新田会長は「黒龍江省は海がなく魚介は貴重。日本の果物も最高の評価を得ている。どちらも現地で喜ばれると思う」と新たな展開を歓迎。中央政府が輸出の決定権を握るトウモロコシの売買契約締結については、「中国人は信頼関係を最も重んじる。長年にわたる、うち(平田牧場)との関係を切らしてはならないと思ってくれたのでは」と話している。
新田会長(手前中央)、桑会長(同右)らが県産米などの輸出入契約の調印式に臨んだ=15日、ハルビン市内のホテル