2009年(平成21年) 6月5日(金)付紙面より
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鶴岡市の加茂水産高校(三浦幸雄校長、生徒152人)の生徒たちが4日、活魚輸送が難しいスルメイカの輸送実習に取り組んだ。生きたスルメイカを加茂沖に停泊した同校の漁業実習船「鳥海丸」から小型船で学校近くの今泉漁港に運び、生徒らが協力して加茂水族館の大型水槽に移した。
生きた状態でスルメイカを輸送し、大型水槽での観察を通じて、活魚輸送や飼育・繁殖が難しいスルメイカの生理や生態について理解を深めようと昨年度から実施している。この日は海洋環境科マリンスポーツ系と海洋技術科航海系の2年生20人が参加した。
「鳥海丸」は海洋環境科食品系の2年生10人を乗せ、2日から佐渡沖で2泊3日のイカ釣り実習中。実習最終日の4日午前9時ごろ、佐渡沖で捕ったスルメイカを積んで加茂沖約1キロの海上に到着した。今泉漁港から同校の小型船「あらなみ」が活魚輸送用タンクと生徒1人、指導教員2人を乗せて鳥海丸に向かい、海上でスルメイカの受け渡しを行った。
「あらなみ」が今泉漁港到着後は、待ち構えた生徒たちが、スルメイカにダメージを与えないようにタンクから大型バケツにそっと移し、約300メートル離れた水族館に運んだ。水槽のバックヤードからイカを放す際には指導教員から「イカはデリケート。バケツの中で水槽の水温に少しならしてから放すように」とアドバイスを受け、真剣な表情で取り組んでいた。
水槽に運んだイカは体長20センチほどの約30匹。昨年度は水温をほぼ常温の18度に設定し展示したが、約1週間で全滅した。水族館では今回は18度と11度の2種類で飼育・展示する。水族館では「イカは日中、水温の低い深い所にいる。どちらが適しているのか調べ将来につながる展示にしたい」と話していた。
水族館の水槽に運ぶため輸送用タンクからスルメイカをバケツに移した
2009年(平成21年) 6月5日(金)付紙面より
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つる性植物のゴーヤでグリーンカーテンを作り、夏場の室内温度上昇を抑える活動が全国的に広がる中、酒田市は本年度、市役所本庁舎など16公共施設にグリーンカーテンを設置する。その第一弾として4日、若竹保育園(佐藤敬子園長、園児73人)でゴーヤの植え付け作業が行われ、園児たちが苗をプランターに移植した。
ゴーヤは、大きな葉が密集して生えることから遮光性が高い。また、栽培に手間がかからず、比較的成長が早いといった特徴があるため、各地でゴーヤを用いたグリーンカーテン設置運動が広がっている。庄内地方では鶴岡市が先駆けて取り組み、今年で3年目になる。
酒田市では昨年度、平田地域の「ひらたタウンセンター」で試行。ゴーヤの陰になるところと直射日光が当たる場所では壁温が最大で12度も違うなど「グリーンカーテン効果」が分かった。そこで本年度は、市役所本庁舎や総合支所、保育園、小中学校など計16施設に設置。エネルギー消費の削減に取り組むとともに、視覚的にも快適な環境をつくることにした。
若竹保育園ではこの日、年長児の20人が園舎南東側の園庭で苗の植え付けを手伝い。佐藤園長が「どうしてゴーヤを植えるの」と質問すると、佐藤快君(5)が「涼しくなるから」と大きな声で答えた。その後、園児たちは2人一組になって作業。移植ベラでプランターの土に穴を開け、ポットから取りだした苗を丁寧に移植し、たっぷりと水をまいた。
市企画調整課によると、8月上旬には園舎に沿って張られたネット全体に葉が広がり、見た目にも涼しく感じられるようになるという。
若竹保育園の年長児たちがゴーヤの苗を植え付けた