2010年(平成22年) 3月26日(金)付紙面より
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庄内町の歴史や名所を見直し、ボランティアガイドとして観光案内の仕組みを充実させていこうという「庄内町観光ガイド育成研修会」が24日、「歴史の里のやかた」(旧清川小学校)など同町清川地区で開かれた。座学や同地区の観光スポットを実際に巡る現地研修で、地元住民らが観光ガイドの心構えを学ん
だ。
庄内地域と秋田、新潟両県の計10市町村の官民で構成する「日本海きらきら羽越観光圏推進協議会」(会長・榎本政規鶴岡市長)と庄内町観光協会の主催。同協議会が2009年度から進めている観光圏整備事業の一環で、ガイド育成研修会は観光客の受け入れ態勢充実を目的に圏内各地で開かれている。
庄内町は、江戸時代に最上川舟運の中継地として栄え、幕末の志士・清河八郎を輩出するなど歴史や文化的遺産が残る清川地区の観光振興に取り組んでおり、昨年12月に同地区の住民による「きよかわ観光ガイドの会」(正木尚文会長)が設立されたこともあって、今回は清川地区での研修会開催となった。
同地区の住民や町内の旅行会社員、町職員など合わせて約25人が参加。はじめに鶴岡市観光ガイド協議会の村岡敏会長が講師となり、「観光ガイドは事前学習が大切。自分が案内するコースを前もって歩き、時間配分にも気を配ること。経験も大事で、何度も案内するうちに自信がついてくる」とガイドの心構えについて話した。
座学の後は、現地研修が行われた。きよかわ観光ガイドの会メンバーの案内で、俳聖・松尾芭蕉が清川を訪れた際に詠んだ「五月雨を集めて早し最上川」の句碑や、清河八郎記念館などを徒歩で巡った。
参加者たちは同会メンバーの解説に耳を傾け、「地元なのに意外と知らないことが多い」と話しながら地域の観光資源を学んでいた。
2010年(平成22年) 3月26日(金)付紙面より
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環境を切り口にしたユニークなまちづくりなどで知られる早稲田商店会(東京都新宿区)相談役の安井潤一郎さんを迎えた講演会が24日、鶴岡市本町一丁目の市コミュニティプラザセントルで開かれ、同商店街の取り組みを紹介しながら、まちづくりのヒントを提言した。
生産者と消費者の顔の見える関係の構築による足腰の強い産地づくりや、商店街などと連携した販路拡大、新サービスなどの創出につなげるきっかけにしようと、市農政課が事務局を務める市経営所得安定対策等推進協議会が企画。「生産者と消費者をつなぐ講演会」のタイトルで、生産者や農協関係者をはじめ、鶴岡駅前や南銀座、山王の各商店街関係者など、約40人が参加した。
講師の安井さんは、早稲田商店会の食料品スーーパーの家に生まれ、1993年に商店会長に就任。学生の帰省で売り上げが落ちる夏枯れ対策として、96年から空き缶回収機を設置するなどリサイクルと集客を結び付けたまちおこし活動をスタート。その後もバリアフリーや震災対策、地域交流と多角的なまちづくりを進め、全国的に注目されている。また、2005年から09年まで衆院議員を1期務めた。
安井さんは「スーパー親父の痛快まちづくり」と題し、「早稲田という地域柄、利口そうに見えるからという理由で環境を切り口にしたら話題となった」などこれまでの取り組みを軽快な口調で紹介。「テーマを見つけるには、新聞の1面で大きな文字で取り上げられていることに取り組めば間違いない」と話し、農水省や国交省などの補助事業で新たな事業展開に利用できそうなメニューを具体的に紹介した。