2010年(平成22年) 9月8日(水)付紙面より
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女性だけの山伏修行「神子(みこ)修行」が6日、出羽三山神社(緒方久信宮司)で始まった。全国各地から参加した女性たちが9日まで3泊4日の日程で、南蛮いぶしや禊(みそぎ)などの荒行に挑んでいる。
神子修行は1993年の出羽三山神社開山1400年を記念し、それまで同神社では男性だけが許されていた山伏修行を女性に開放する形で始まった。今回は北海道から愛媛県まで22―77歳の75人が参加。1回目から18回連続で参加している女性も5人ほどいるという。
初日の6日は、頭に白い布の宝冠を巻き、紅花染めのそろいの装束に身を包んだ参加者たちが同神社社務所そばの随神門前に集合。神事の後、正午前にほら貝の合図とともに入山した。門の先の石段を下り、祓(はらい)川に架かる神橋を渡って羽黒山頂を目指した。
入山前、東京都から来た声優業の30代女性は「現実の生活から隔離された場所で、自らの精神を見つめる時間を得たいと思い、参加した」、愛知県から参加した20代の店員の女性は「先祖が神道で山伏修行に興味があった。女性は修行に参加するきっかけが少ないので、貴重な体験ができそうだ」とそれぞれ話した。
参加者たちは山頂近くのお堂にこもり、9日まで水行の禊や勤行、三山の拝所を巡る山駆けなどさまざまな修行を積む。
2010年(平成22年) 9月8日(水)付紙面より
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本年産庄内米の初検査が7日、鶴岡市下山添の農産物検査登録機関のマドラウイング東北営業所(佐藤敏所長)で行われた。「ひとめぼれ」38袋(1袋30キロ)が検査を受けたところ、今夏の猛暑による高温障害でコメの一部が白く濁る「背白粒」が多く見られたことから、すべて二等米と判定された。
検査を受けたのは、同市上山添の農家が今月4日に刈り取ったもの。佐藤所長が「殻さし」と呼ばれる器具で袋からサンプル米を抜き取り、整粒歩合や水分、着色など目視や測定器でチェックした。
その結果、粒の張りが良く未熟粒は少ないものの、全体的に「背白」が目立ったことから、すべて二等米と判定された。佐藤所長は「全国的な傾向と同じく、出穂期から登熟期にかけて高温障害を受けたとみられる。精米すれば目立たなくなるレベルで水分は15・6%とちょうど良く、カメムシなど病害虫による着色もほとんどないだけに残念」と説明した。
判定の結果を聞いた男性農業者は「コメを作り続けて30年ほどで、すべて二等米だったのは初めて。この天候では仕方がないが、等級が下がれば値段も下がる。タンパクの含量は例年よりも高く、食味は良さそうなのだが」と残念そうに語り、「今夏のような猛暑が来年以降も続くなら、コシヒカリ系統など耐高温性がある品種や晩生種の栽培に移行しなければならない」と話していた。
全農山形庄内統括事務所によると、主力品種のはえぬきは10日から24日にかけて刈り取り適期を迎え、18―20日の連休が作業のピークになるという。同事務所では「早めに刈った方がコメの胴割れを防げる。刈り遅れがないようにしてほしい」と呼び掛けている。