2010年(平成22年) 5月19日(水)付紙面より
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酒田市内の林業、製材、建築の各業界関係者らで組織する「さかた木づかい夢ネット」(佐藤佶会長)は18日、同市の日和山公園内に建つ「初代酒田灯台」(通称・六角灯台)をモチーフにした観光モニュメント1基を市に寄贈した。実物のほぼ4分の1のサイズで、市役所駐車場内に設置。市は今後、内部に観光案内パネルを展示するなどし観光振興に役立てていく。
同ネットは、林業振興を狙いに木材の生産から消費までにかかわる関係者で2007年6月に結成、「さかた材」のブランド化を目指し市内の優良林業地を認定する「さかた市民認定林」の審査や、地元の木材を活用したマイホーム建設に関する相談会などを開催している。
今回は、地元産材の良さをアピールしようと、「木製である」「酒田らしさを表現できる」の2点を考慮し、日本最古の洋風木造灯台で、酒田のシンボルとなっている六角灯台をモチーフにした観光モニュメントを製作した。
使用した木材は同市平田地域の杉材。同ネット会員事業所の社員が約1カ月かけ床面積約3・0平方メートル、高さ約4・0メートルの大きさで製作した。出入り口用のドアがあり、自由に出入りできる。
この日の贈呈式には関係者約30人が出席。除幕した後、佐藤会長が「酒田の木材と匠の技を生かし、行政の支援を仰ぎながら地元材の地産地消を図っていきたい」、阿部寿一市長が「酒田の観光の道筋を照らす灯台にしていきたい。十分に活用させてもらう」とあいさつ。佐藤会長が阿部市長に「酒田杉」と書かれた表示プレートを手渡した。
同ネット事務局の市農林水産課は、モニュメント内部に観光案内パネルを展示し、観光パンフレットを置く。
2010年(平成22年) 5月19日(水)付紙面より
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城下町鶴岡の中で町人文化が栄えた一日市町、七日町、上肴町の旧3町(現在の本町二丁目、三丁目)に着目し、往時の町人まちの暮らしを短編の物語で伝え、その情景を思い浮かべながら散策してもらう小冊子「城下町鶴岡 町人まち ブックレット」が発行された。独特の風情が今も残る旧町を、物語の主人公と一緒に歩き楽しめる内容となっている。鶴岡市都市計画課で20日から先着200人に無料配布する。
市民や学識経験者、建築士らでつくる「つるおか『美しい都市』プロジェクト実行委員会」(会長・佐藤滋早稲田大理工学部教授)が、発行した。地域の歴史や文化を通したまちづくりを目指し、昨年3月には旧3町の町人まちを舞台に江戸時代の古地図と現在の街並みを重ね合わせた町歩きマップ「古地図で歩く城下町鶴岡 町人まち」を作製した。今回の小冊子は、これに続く第2弾として企画。テーマは「物語で紡ぐまちの記憶」を踏襲した。
史実に基づいた旧3町の物語は、同市本町二丁目出身のフリーライター・荻原和歌さんが担当。明治期に呉服まちとして栄え、今も大店(おおだな)の名残が感じられる一日市町は尋常小学校の男児、江戸期の旅篭(はたご)まちで料亭文化が色濃く残る七日町は若い女性、魚屋などが並んだ上肴町は黒猫をそれぞれ主人公に、往時の風俗を絡めながら短編小説風に仕上げた。
物語で主人公がたどった道を「絵図」として地図上に表し、周辺にある店舗をその店の歴史とともに紹介。旧3町それぞれの江戸期から現在までの移り変わりをまとめて旧町にまつわる歴史を年表にし、歴史的建造物や明治期などの古い写真も載せ、町人まちの歴史と文化を伝えている。
実行委は「城下町にあって町人文化が栄えた街の記憶をたどって町歩きを楽しんでもらえれば。掲載した物語は読み物として楽しめるもので、物語の主人公になった気分で散策し、町人まちに触れてほしい」と話している。
ブックレットは縦26センチ、横12センチの大きさ。41ページ。800部を発行し、旧3町の店舗や市内の観光施設、市東京事務所などに配置した。20日からの無料配布(1人1部)の問い合わせは、市都市計画課=電0235(25)2111、内線492=へ。