2010年(平成22年) 6月16日(水)付紙面より
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鶴岡市青龍寺の金峯神社(佐々木孝喜宮司)で15日、例大祭「心天(ところてん)祭り」が行われ、参拝者たちが家内安全や身体堅固を願い、ところてんを食べた。
同神社の例大祭は、神事後の直会(なおらい)で参拝者にところてんを振る舞うことから「心天祭り」と呼ばれる。ところてんを食べる由来は、季節の食べ物として神前にささげた供物のお下がり説や、梅雨の時期に胃腸を掃除するためなどの諸説がある。
この日は早朝から、社務所の調理場で地区民たちが直会の準備作業に追われた。棒状のところてんを「てんつき」に入れて押し出し、器に次々と透明なところてんが盛り付けられていた。調理を担当した地区民は「宮水とテングサをたっぷり入れて作ったので風味やのどごしが良くておいしい。毎年、参拝に来てくれた方に喜んでもらっている」と話していた。
今回は約100人前のところてんが準備され、同神社本殿で神事が行われた後、社務所で参拝者に振る舞われた。
2010年(平成22年) 6月16日(水)付紙面より
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鶴岡市は、地元に伝わる郷土料理を後世に伝えていこうと、レシピ集の製作を進めている。14日は撮影のため「にこ・ふる」で、市食生活改善推進協議会鶴岡支部(五十嵐羊子支部長)が「ニラとマスのあんかけ」などを調理した。
市食育推進計画に基づき、鶴岡の良き食文化を伝えていこうと、家庭でできる郷土食、行事食の作り方を紹介するもの。今年4月から8月まで、市食生活改善推進協議会の6支部や、市内の農家レストランの協力で撮影している。
この日は8回目の撮影。鶴岡支部の8人が孟宗(もうそう)汁、藤沢かぶの甘酢漬け、ウマヅラ汁、12月の大黒様のお歳夜に食べる「大黒様膳」(ハタハタの田楽、黒豆ご飯、黒豆なます、納豆汁など)など14品を作った。
五十嵐支部長は「昔ながらの行事をやらない人が増えてきた。特に若い人たちにレシピを見て作ってもらい、地元にこういう素晴らしい食文化があることを知ってもらいたい」と話した。
支部員たちは、ゆでたニラとマスに甘辛いあんをかけながら、「同じあんでも、わずかのコツでつやがあっておいしそうにできたり、できなかったりする。こういう機会に、そのコツも学べてありがたい」と話していた。より完ぺきを目指すにはレシピのほか、“直伝の技”も必要のようだ。
市農政課によると、今後さらに5回ほど撮影し、計150―180種の料理を撮影する。まとめたレシピ集は一般に販売するほか、市内の全小・中学校に配布する。また、カード型も作り、こちらは市内の産直施設などに掲げ、農産物の消費拡大に生かしてもらう。