2011年(平成23年) 3月9日(水)付紙面より
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先代の老朽化を受け県が発注していた鶴岡市の加茂水産高校(三浦幸雄校長、生徒171人)の新漁業実習船で、5代目「鳥海丸」(233総トン、本間正利船長)が8日、酒田港東埠(ふ)頭に着岸した。現地で入港式が行われ、三浦校長は「日本一の実習船になるよう教育内容の充実を図る」と誓った。しゅん工式は来月に行われる予定。
5代目鳥海丸は、全長約45メートル、幅約8メートル、深さ約3メートルと、先代に比べひと回り小型。1400馬力。定員は39人。船内には漁業実習に必要な保冷倉や凍結室などがある。先代の老朽化を受けて県は更新することを決め、昨年7月に宮城県石巻市内の造船所で起工、今年2月9日に県に引き渡された。事業費は9億2000万円。同校によると、イカ釣りやサンマ流し網、はえ縄、かにかご漁など日本近海での漁業実習に対応可能という。
この日は午前10時ごろに東埠頭に入港し、10分ほどで着岸。入港式には、1、2年生約130人と教職員、乗組員らが出席。最初に三浦校長が「まずは県民の皆さんにお礼申し上げる。県民の期待に応えるため今後、この船で海に生きる人材の育成を図っていきたい」とあいさつした。
本間船長に花束が贈られた後、阿部俊仁生徒会長(2年)が「この船で日本海を中心とし実習が展開されていく。とても楽しみ。事故がないよう運航することを願う。この船で行われる漁業実習をわれわれの力に変えていきたい」と決意を述べた。その後、生徒たちが船内を見学して回った。
同校によると、5代目鳥海丸は、しゅん工式を経て今年5月から実習で活躍する予定。