2011年(平成23年) 3月11日(金)付紙面より
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出羽商工会の農業部会の第7回会合が9日、鶴岡市藤島の同商工会本所で開かれ、小野木覺会長が「商工会が音頭を取って出資者を募り、会社をつくろう」と今後の部会の方向性を打ち出した。「農業」を核に新機軸の事業を興し、地域活性化に貢献する会社で、来月半ばごろまでに事業モデルを詰め、具体化に乗り出す。昨年7月に「全国初の商工会の農業部会」としてスタートした試みは、新たなステージに入ることになった。
小野木会長は会合の終了前、あいさつに立ち、「会社をつくろう。行政や金融機関などと一体となって取り組めば、新たなビジネスが生まれるのでは」と、地域活性化のため、新たな動きをつくり出していく意欲を示した。その上で、温泉の熱を使った農産物栽培など事業のアイデアを挙げ、「夢を描こう。農商工観が一体となって『むかえびと』になるように、皆さんの知恵を借りたい。協力を」と呼び掛けた。
新会社については現在、構想を詰めている段階だが、形態は合同会社、事業としては自然エネルギーを活用した農産物栽培や滞在型体験農場、農産物直売所、「食の都庄内」親善大使の古庄浩さんを介した関西圏への農産物販売といったアイデアが出ている。
同部会は、法人化して加工や販売を手掛ける農業者の会員が増えてきたことなどから、目的別研究会の一つとして設置。「勉強会にとどまらず、具体的な事業展開まで踏み込む」(小野木会長)という方針の下、月1回のペースで会合を開き、部会員の取り組み発表や外部講師の講演などで勉強してきた。当初48人だった部会員は徐々に増え、67人になっている。
この日の会合は「農業分野における金融機関の役割」をテーマに開かれ、約40人が参加。荘内銀行鶴岡南支店の田村優支店長、鶴岡信用金庫藤島支店の東海林保彦支店長、農林中金農林水産環境統括部エコ・フードビジネス推進室の武田豊彦室長の3人の講話で、各金融機関が融資や出資など農業関連ビジネスへの支援を強化している様子を聞いた。