2011年(平成23年) 4月16日(土)付紙面より
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鶴岡市立荘内看護専門学校(三科武校長)の入学式が15日、市立荘内病院講堂で開かれ、新入生たちが看護師を目指し、3年間の勉学に励む決意を新たにした。
新入生は第38回生で、東京都出身の1人を含め、庄内地方の女性20人。入学式には保護者や在校生、来賓を含め約120人が出席した。
開会に先立ち、東日本大震災の犠牲者に黙とうをささげた。三科校長は式辞で、大震災の被災地で活躍する医療人らに触れ、「一刻も早くああした現場に立てるように」と激励。その上で「敬天愛人という言葉がある。人の立場は天からの授かりものとして受け入れ、他人に愛情を注ぐこと。看護師の仕事を天命とし、知識と技術を身に付け、患者に愛情を持って接してほしい」と述べた。
榎本政規市長や松田徹庄内保健所長らの来賓あいさつに続き、在校生を代表して福井絵莉子さん(3年)が「大震災の被災者には看護学生もいると思う。学べる環境があることに感謝し、お互いに高めながら頑張っていこう」と歓迎の言葉。新入生総代の齋藤美紗子さん(18)=鶴岡市=が「大震災には大きな衝撃を受けるとともに、救護に当たる看護師らの姿に優しさと責任の大きさを感じた。今の気持ちを忘れず、何事にも全力で努力を惜しまず学業に励むことを誓う」と力強く宣誓した。
本年度から、衛生面の配慮で看護帽をかぶらない「ノーキャップ」に移行するのに合わせ、1963年から半世紀近く変わっていなかった制服も一新。水色のワンピースから、白色でワンピース、パンツ双方がある機能的なデザインになった。清新さに包まれた新入生たちは、看護の道への決意を新たにするように、目を輝かせていた。
2011年(平成23年) 4月16日(土)付紙面より
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鶴岡市湯田川の市農協湯田川催芽場で行われている「芽出し作業」がピークを迎えた。作業員たちが連日、多くの種もみが入った袋をお湯に浸して発芽させる作業に汗を流している。
温泉湯を使った芽出しは、江戸時代後期の1848(嘉永元)年に当時の湯田川村の大井多右衛門が始めたとされ、地元の由豆佐賣神社に功績をたたえる石碑が残されている。現在は温泉街北側の催芽場のコンクリート水路にお湯が引き込まれ、地元住民による臨時作業員が毎年この時期に芽出し作業を行っている。
今シーズンは4月1日に作業をスタートしたものの、雪解けが遅かった影響で農業者の持ち込みが遅れた。ピークは11―16日で前年より5日ほど遅いという。連日、午前8時と午後1時、同4時の3回に分け、種もみをお湯に浸す作業が行われている。
14日は午前8時から約20人が作業をした。種もみを引き取りに来た農業者の軽トラックへの袋の積み込み、新たに持ち込まれた種もみの荷下ろしに続き同8時半ごろからお湯が満たされた水路へ種もみを次々と浸した。この日だけで約25トンを水路に浸すという。
種もみは、催芽場で32―33度のお湯に約12時間浸した後、水路に渡した板の上でコモをかけて半日ほど蒸すことで発芽が促される。専用の機器を使った芽出しに比べコストが安く、発芽が均一になり苗作りが楽になるなどのメリットがある。
市農協によると、今年は庄内一円と新潟県村上市などの農家約1000戸から、はえぬきやひとめぼれ、コシヒカリ、つや姫など計約200トンの種もみを預かる予定。