2011年(平成23年) 5月31日(火)付紙面より
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酒田市飛島で28日、美しい海岸を取り戻すための「飛島クリーンアップ作戦」が行われた。海岸漂着ごみをなくし、豊かな自然に恵まれた飛島の環境を守ろうと、毎年5月末に行われているボランティア活動は今年で11回目。新たな10年に向けたスタートとなる活動になった。
今回の参加者はボランティア約180人と島民約60人。ボランティアの中には庄内在住者だけでなく、離島間交流を続けている新潟県・粟島のほか、宮城県や秋田県からの参加者もいた。
田下(たのしり)海岸での活動では漂着ごみを空き缶、ガラス類、プラスチック、ビニール、漁具用の浮きなどと分別しながら拾い集めた。参加者が特に苦労したのは魚網とそれに絡み付いたロープ。目方が重いだけでなく、半分以上砂に埋まっていて掘り出す作業が大変だった。
今年はクリーンアップ作戦に合わせて定期船も3往復運航(昨年までは2往復)されて島への滞在時間が長くなり、その分じっくり清掃できた。波が穏やかだったことから、拾い集めた漂着ごみは島の漁師たちが漁船で勝浦港まで運び、総量は約7トンに達した。
飛島の、西海岸に漂着する海洋ごみはクリーンアップ作戦の成果で堆積(たいせき)量は格段に減ってきたものの、新たに漂着するごみは後を絶たないのが悩みだ。初めて参加した吉村美栄子知事は「ガラスやプラスチック類がとても多かった。美しい海岸を守ろうという大勢の皆さんの力はとてもありがたい。発生源を減らすことも課題」と語った。また、東北公益文科大1年の永澤かれんさん(新庄市出身)は、「ボランティアに興味があったので参加した。疲れたがとても充実感があった」と話していた。
クリーンアップ作戦が行われた田下海岸は、島北西部の八幡崎展望台から一望できる、島が誇る絶好の観光スポット。これから大勢の観光客が訪れる前に海岸がきれいになり、観光が大きな産業になっている島の人たちはボランティア参加者に、昼食にホッケのつみれ汁、イカ焼き、アラメの煮付けなどを用意して感謝し、交流した。
また、島の人たちは海岸清掃に合わせ、島を貫く農免道路や遊歩道の草刈り作業を総出で行った。