2011年(平成23年) 6月26日(日)付紙面より
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酒田市立酒田看護専門学校(小熊正樹校長)の宣誓式が24日、酒田勤労者福祉センターで行われた。1回生28人それぞれが目標を述べるとともに、全員で「ナイチンゲール誓詞」を唱和。看護師としての責任を認識し、看護の専門職として歩むことを誓った。
同校は、酒田地区医師会(本間清和会長)を中心にした「十全堂社」が運営していた看護専門学校を市が受け継ぎ、全日制、3年課程で昨年4月に開校した。
宣誓式は、来月から病院や施設での臨床実習が始まるのを前に、学生一人一人が自分の目指す看護師像を発表し、あらためて研さんを積む誓いを述べるもの。同校では今後、卒業までの折り返し点に当たるこの時期に行うことにした。
この日は在校生、保護者ら約100人が出席。小熊校長が「愛情を持って患者に接し、どんな小さなサインもとらえることが大事。看護師として大きく成長することを期待する」と式辞を述べた。
阿部寿一市長の祝辞などに続き、1回生を代表して田中志穂美さん(尾花沢市)が「7月から本格的な実習が始まる。悩んだり迷ったりすることもあると思うが、今日の感激を忘れず、全員で取り組んでいく」と決意表明。2回生の茂木杏美さん(酒田市)が「先輩方を見習い、それぞれが高め合うことができるよう私たちも努力する」とお祝いの言葉を贈った。
草刈妙副校長から、校章のキキョウをあしらった記念章を白衣の胸元に付けてもらった1回生たちは、灯をともしたろうそくを手に「いつも初心を忘れない看護師になる」「患者だけでなくその家族もケアできるようになりたい」などと、それぞれの目標を発表。中には、看護の道に進むきっかけを振り返って感極まり、涙声になる学生もいた。
最後に「われは、心より医師をたすけ、わが手に託されたる人々の幸のために身をささげん」とナイチンゲール誓詞を全員で唱和。心新たに学んでいくことを誓った。
2011年(平成23年) 6月26日(日)付紙面より
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県は24日、酒田港と韓国・釜山港を結ぶ国際定期コンテナ航路で、週2便のうち1便が7月から中国・大連港、天津新港に延伸されると発表した。酒田港からの積み荷を釜山で積み替えることなく中国に直接運ばれる“直行便”の運航は2008年1月以来3年6カ月ぶりの復活。同定期航路の貨物の5割以上が中国との輸出入で、延伸によって所要日数の短縮など定期航路の利便性が向上し、酒田港の利用拡大が期待される。
中国延伸の航路は、水曜日に酒田港を出港し伏木富山―金沢―境港を経て、釜山―蔚山―光陽に寄港して天津新港、大連と結ぶ。大連からは釜山を経由して酒田へと入る。往復で2週間のローテーションとなり、同便は2船体制となる。延伸で酒田―大連の所要日数は釜山での積み替えがなくなるため、輸出は2日短縮の5日となるとともに、貨物が受けるダメージを回避できるという。
また、釜山直行の定期便は毎週木曜日に酒田港を出港。釜山へ向けて酒田港がラストポートとなるため翌日に到着し、所要日数はこれまでの3日から2日に短縮され、より輸出の利便性が向上するとしている。
2010年の酒田港利用コンテナ貨物のうち中国との輸出入は全体の56・8%に上る。主な貨物は、輸出は再生利用品の古紙や廃プラスチックなど、輸入は加工原料の果物類の缶詰や豆類、住宅建材などとなっている。県経済交流課は「大連は(中国の)東北3省の玄関口、天津は農業系の原料供給基地であり、中国直行で所要日数が短くなることで輸出入で速さやコスト減につながる」と期待した。
吉村美栄子知事は24日、記者会見し「県内企業から『中国へのダイレクト航路があればいい』という声が多かったので喜ばしい。中国をはじめとするアジア諸国への貿易拡大の推進に、酒田港の利便性が大きく向上したことを広くPRし、官民一体となってポートセールスを積極的に展開したい」と述べた。
中国・韓国航路は、08年1月以前にも高麗海運(韓国)により、01年8月―02年4月、同年9月―03年9月の期間など断続的に運航された。
最近約3年間は運航がなかったことから、県は輸出貨物増加に向けて県内企業への利用促進の働き掛けを強めるとともに、昨年4月には吉村知事が直接、高麗海運に出向いて中国への直行便を要望していた。今回の航路変更は21日に高麗海運から日本の代理店に連絡があったという。
県経済交流課は「太平洋側の港湾が震災で使えない状態で、日本海側各港の貨物量増大を見込んでいることも背景にあるのでは」としている。
酒田―釜山港定期コンテナ航路の中国延伸が復活することについて、対岸との交易で酒田港の振興に取り組む東方水上シルクロード貿易促進協議会長の新田嘉一平田牧場会長は「このところ『順風』が吹く酒田港の利便性がさらに増し、大きな『追い風』になる。とても良いことで、喜ばしい」と話した。