2011年(平成23年) 7月2日(土)付紙面より
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出羽三山の主峰・月山(1984メートル)が1日、山開きした。あいにくの風雨となったが、今年は12年の一度の「卯歳御縁年」に当たることから、東日本大震災の鎮魂を願う信者や、パワースポットブームを反映した若い女性の姿も見られた。
山頂の月山神社には月読命(つきよみのみこと)が祭られ、信仰の山として全国から信者が集う。また、高山植物の宝庫としても知られる。開山祭は毎年7月1日に同神社で行われ、本格的な夏山シーズンがスタートする。また、今年は月山権現が卯歳の欽明天皇8(547)年に現われたとする故事に由来する卯歳御縁年に当たり、参拝すると高い御利益があるとされる。
この日は前夜から雨が降り続き、午前中は8合目から山頂付近は濃いガスに覆われた。それでも早朝から雨具に身を包んだ登山者が山頂を目指し、入山。雨で川のようになった登山道を歩き、9合目近くの「一ノ岳」では雪渓を踏みしめ、歩を進めていた。
千葉市から夫婦で訪れた60代男性は「山岳信仰の山に引かれ、15年ほど前から毎年登っているが、今年はひたすら鎮魂を願いながらの登山」と話した。また、「山形マニア」と語る都内から訪れた20、30代の女性3人グループは「昨年、羽黒山と湯殿山に行き、『来年、月山行くと御利益がある』と言われ、開山に合わせて来た。新鮮な空気にパワーをもらえそう」と笑顔を見せた。山頂では午前11時から信者らが参列して神事が行われた。