2011年(平成23年) 7月29日(金)付紙面より
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子供たちの復興の願いが夜空を焦がす―。来月10日に鶴岡市の赤川河畔で行われる第21回赤川花火大会で、宮城県石巻市と南三陸町の小学生たちが夢や希望を書いた和紙の短冊を張り付けた2尺玉3発が、クライマックスで打ち上げられる。関係者は「子供たちが夢や希望を持てる時間となれば」と話している。
鶴岡青年会議所(JC、工藤規行理事長)が、被災地の小学生約400人を1泊2日で招待などする「希望の光プロジェクト」の一環で、赤川花火大会実行委員会(佐藤東一実行委員長)と連携して企画。子供たちの夢や希望のメッセージを一緒に打ち上げ、夜空で花開く瞬間を楽しんでもらうとともに、夢や希望を持つきっかけにしてもらおうというもの。
同JCでは被災地のコーディネーターを通し、赤川花火招待に参加する石巻、南三陸2市町の小学生たちに花火専用の和紙を縦20センチ、幅6センチの短冊にして配布。28日までに記入した短冊を送り返してもらい、今月中に長野県の煙火業者に郵送し、オリジナルの2尺玉(直径約60センチ)3発の仕上げに張ってもらう。
27日夜までに届いた短冊には、コックや漫画家になりたいという将来の夢とともに、「一日も早くいつもの歌津(南三陸町)にもどりますように」「もとの小学校で授業ができますように」「瓦礫(がれき)が早くなくなりますように」など復興を願う文字が多く見られた。
希望の光プロジェクトリーダーの小池昌和さん(39)は「自分のことよりも復興を願う子供たちの心に、短冊を見ていて涙が出た。庄内には日常の生活があるが、被災地の惨状を忘れず、子供たちに寄り添う支援を続けるきっかけになれば」と話している。
赤川花火大会の打ち上げは午後7時15分から。