2011年(平成23年) 11月20日(日)付紙面より
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国の文化審議会(西原鈴子会長)は18日、酒田市御成町の本間氏別邸庭園「鶴舞園(かくぶえん)」(財団法人本間美術館など所有)を、国の名勝に指定するよう文部科学大臣に答申した。赤や青など色彩豊かな庭石を随所に用いているほか、庭園南側に建つ別邸主屋「清遠閣」2階からは鳥海山を借景とした庭園を俯瞰(ふかん)できるなど、意匠・構成が優れていることが評価された。
鶴舞園は、近世から近代にかけて東北地方の豪商・大地主として隆盛を誇った本間氏第4代・本間光道(こうどう)が造営した池泉回遊式の庭園。庄内藩主・酒井忠器(ただかた)公が文化10(1813)年に行った領内巡検に先立ち、藩主の休憩所として造ったもの。工事は、冬になると仕事が少なくなる酒田港の荷役労働者の失業対策事業でもあった。名称は忠器公が立ち寄った際、池の中島に鶴が舞い降りたことにちなみ、忠器公が付けたという。
面積は約7350平方メートル。佐渡(新潟県)の赤玉石、伊予(愛媛県)の青石など北前船で運ばれてきた諸国の銘石や小豆島(香川県)の御影石で作られた大小の灯籠などが変化に富んだ地形に配され、春は白ツツジ、秋はさまざまな紅葉など、四季折々の風情が鳥海山を借景に楽しめる。審議会では、こうした意匠・構成が優れていて芸術上の価値が高いとして国の名勝に指定し、保護することを決めた。
今回は他に、浄土ケ浜(岩手県宮古市)など4件が国の名勝に決まった。
酒田市の国指定名勝は、1996年3月に指定された松山地域の總光寺庭園に次いで2件目。
2011年(平成23年) 11月20日(日)付紙面より
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鶴岡市藤島地域の水田で18日、この時期の自然現象「雪迎え」が見られた。
雪迎えは晩秋の晴れた日に、クモの子が一斉に糸を出して空を飛ぶ現象。
藤島地域ではこの日夕、枯れた稲株の田んぼが、真綿に覆われたように落日を照り返していた。本格的な降雪が近い知らせとされている。