2011年(平成23年) 12月3日(土)付紙面より
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酒田市のJR酒田駅前再開発事業に取り組んでいる民間法人の酒田フロントスクエア(井上義裕社長)は1日、旧ジャスコ酒田駅前店跡地(約6100平方メートル)部分の整備に関する実施設計を、協同組合・都市設計連合(神戸市、向當光生代表理事)に発注したと発表した。10階建てのホテル棟と4階建て商業棟を来夏に着工、2013年内の完成を目指す。
酒田フロントスクエアは、ホテルイン酒田駅前などが入る日新開発ビル(旧酒田東急プラザビル)を所有する日新開発など酒田市内の民間企業7社で構成。昨年10月に、市が所有する旧ジャスコ酒田駅前店跡地(AB地区)と、日新開発ビル、駐車場(計約2200平方メートル、CD地区)の再開発計画を発表した。「酒田の顔にふさわしい賑(にぎ)わい交流拠点『さかたフロントスクエア』(仮称)の創出を目指す」をコンセプトに掲げている。
同社の草深夏哉常務によると、AB地区の実施設計契約は先月30日に結んだ。客室140部屋前後のホテル棟と、それにつながる商業棟を建設。商業棟は1階に食料品店や飲食店、小売店など、2階にレストランと宴会場、3、4階に立体駐車場を整備する。駐車スペースは地上部分(40台)と合わせて約200台分を確保する。
完成後、ホテルイン酒田駅前が入居。日新開発ビルを解体し、分譲マンションを建設する。販売戸数など規模は未定で、「12年度内には概要を固めたい」(草深常務)としている。AB地区と合わせた総事業費は約38億円を見込んでいる。
昨年10月の計画発表時に「今年8月にも」としていたAB地区の着工が、ほぼ1年延びたことについて草深常務は、国や県、市からの補助、国の外郭団体からの出資を受けることから「行政の厳しいチェックが入り、予算措置が年度を越えることになってしまったため、その期間を計画の精度アップに利用した」とし、実施設計の発注により「これでスタートラインに立った」との認識を示した。
2011年(平成23年) 12月3日(土)付紙面より
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鶴岡市馬場町の荘内神社(石原純一宮司)の拝殿に天井画が完成し1日、お披露目された。石原宮司の母親で、庄内を拠点とする美術団体「白甕社」会員の和子さん(81)が描いた花などで、訪れた人たちを喜ばせている。
和子さんは約30年前から、元白甕社委員長の日本画家、故・伊藤喜久井さんに習い、趣味で日本画を描いてきた。今回は石原宮司の提案で、拝殿の格天井の169升(13×13升)のうち、中央の25升(5×5升)に、9月初めごろから約3カ月かけて制作した。
45センチ四方の杉板25枚に、庄内藩酒井家の家紋「かたばみ」と裏紋「おもだか」のほか、サクラやウメ、キク、ユリ、ボタン、キキョウなど日本の花を、墨や胡粉、岩絵の具などで描いた。家紋は、同神社が庄内藩主の霊を祭っている縁。花の色のバランスを考えながら、天井にはめ込んだ。
和子さんは「花は、これまで30年間描きためた自分のスケッチを基にした。余計なことは考えず、無心で描いた。喜んでもらえたらうれしい」とする。そして、「天井にはまだ空きがあるので、周りを囲むようにもう1列、24枚は描きたい」と創作意欲を燃やす。
お披露目された1日、参拝に訪れた家族は色とりどりの花の絵を見上げ、「きれい」と喜んでいた。