2011年(平成23年) 6月16日(木)付紙面より
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鶴岡市青龍寺の金峯神社(佐々木孝善宮司)で15日、例大祭「心天(ところてん)祭り」が行われ、参拝者たちが家内安全や無病息災を願い、ところてんを食べた。
同神社の例大祭は、神事後の直会(なおらい)で参拝者にところてんを振る舞うことから「心天祭り」と呼ばれる。ところてんを食べる由来は、季節の食べ物として神前にささげた供物のお下がり説や、梅雨の時期に胃腸を掃除するためなどの諸説がある。
この日は朝から、社務所の調理場で地区住民たちが直会の準備作業に追われた。棒状にカットしたところてんを「てんつき」に入れて押し出し、並べた器に次々と透明なところてんを盛り付けていた。調理担当者は「金峰山のわき水で作ったところてんは、市販されているものより風味とのど越しが良くておいしい」と話していた。
今回は約70人前のところてんが準備され、同神社本殿で神事が行われた後、社務所で参拝者に振る舞われた。
2011年(平成23年) 6月16日(木)付紙面より
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鶴岡信用金庫の顧客でつくる「つるしんミリオンクラブ」(長谷川昌弘会長)の観光ツアーが13、14の1泊2日の日程で、長野県の諏訪地方などを巡るコースで行われた。諏訪信用金庫(本部・同県岡谷市)の年金友の会の約1000人が6、7月を中心に「頑張れ東北!」を掲げ鶴岡市に観光に訪れる「返礼ツアー」として企画されたもので、約110人が参加し、行く先々の熱い歓迎に「感動した」など、人のぬくもりに満ちた信濃路の旅を満喫した。
震災後、東北行きが危険視され、自粛ムードで長野県内でも観光客が減る中、あえて鶴岡行きを決断した諏訪信金側に感謝を伝えようと、急きょ企画された。20―80代の107人と鶴岡信金の職員計113人が参加した。
13日は松本城(松本市)や歴史的町並みとクリ菓子で知られる小布施町、諏訪市の原田泰治美術館を見学した後、同市の上諏訪温泉の旅館「鷺乃湯」に宿泊。14日は同市の諏訪大社・上社、善光寺(長野市)などを巡った。
旅館では夕食時、ミリオンクラブの長谷川会長がツアーの趣旨をあらためて説明した上、「お互いに自粛ムードが強くては経済活性化にならない。この旅行を大いに楽しんで」とあいさつ。諏訪信金の今井誠常務が「今回できたきずなをさらに発展させたい。言葉では言い表せないほど感謝している」と歓迎の言葉を述べた。
その後、諏訪信金側の企画で、7年に一度行われる「御柱祭」の勇壮な映像が流れる中、下諏訪町木遣保存会、諏訪八剱太鼓がそれぞれ迫力ある木遣り歌や太鼓演奏を披露。大きな拍手が送られた。
また、同信金の顧客で返礼ツアーのことを知った菓子店経営者が、ツアー参加者全員に菓子を1箱ずつプレゼント。ツアーのことは地元紙に「諏訪へ『鶴の恩返し』」の見出しで大きく取り上げられた。
参加者の前田松雄さん(75)=鶴岡市藤島=は「これまでも鶴岡信金のツアーには何度か参加したが、今回は特に先方のおもてなしに感動した。言うことなしの旅行だった」と感想。鶴岡信金の佐藤祐司専務は「行く先々で歓迎を受けた。このきずなを大切にしたい。これから諏訪側から鶴岡にたくさん来るので、負けないように地域を挙げておもてなしをしたい」と話した。