2011年(平成23年) 6月22日(水)付紙面より
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酒田北高校(富樫郁遷校長、生徒157人)の生徒有志が今年5月、2回にわたって東日本大震災の被災地に出向き、側溝清掃などのボランティア活動を展開、活動に参加した生徒による報告会が20日、同校体育館で開かれた。「被災者に何と声を掛けていいか、分からなかった」「自然の怖さ、人間の無力さを感じた」など、生徒たちの声はどれも生々しいものばかり。生徒たちは今月25日にも現地に行き、清掃活動を行う。
「ボランティアの酒田北」を標榜(ぼう)している同校は、震災発生後から義援金を集めたり、支援物資の仕分け作業、避難所となっていた親子スポーツ会館慰問を行うなど、高校生の立場でできる限りの活動を展開している。
被災地でのボランティアは、同市社会福祉協議会(加藤勝記会長)の活動に参加する形で行われ、5月14日に3年生11人が宮城県多賀城市、同28日には別の3年生9人が同県気仙沼市にそれぞれ出向いた。同校の阿部進教頭は「市内の高校生が被災地で活動を行ったのは初めて。余震が続くなど安全面の問題から、現地訪問はなかなか足を踏み出せないでいた。そんな時に市社協から声を掛けてもらった」と話す。
泥がたまって流れが悪くなった側溝、一人暮らしの高齢者住宅の清掃活動が中心。両日とも4―5時間にわたり汗を流した。
報告会は、活動に参加しなかった生徒たちの意識を高めるのが目的。同校体育館で行われ、全校生徒が参加した。
どこまでも続くさら地、押しつぶされたり流された車両や家屋など、被災地を撮影した写真を上映した後、活動参加の生徒たちが「報道で見るより、実際はひどい。一日も早く復興してほしいと願うばかり」「そこに住んでいる高齢者に住宅の清掃をやらせるのは酷。若い人の力が必要だ」「酒田大火の際、酒田でボランティア活動をしたという被災者に会った。優しさ、助け合いの心は人から人に伝わっている」「復興に向け自分ができることを今後も継続したい」と思い思いに感想を述べた。
同校によると、今月25日には同県石巻市を訪問し生徒・教員計10人が活動を繰り広げるほか、9月の「全校ボランティアの日」には、希望する生徒全員が被災地に行って活動する予定という。富樫校長は「自分の目で見るということは、本当にすごい経験だと思う。本校は来年3月に閉校する。(9月の活動は)良い意味での締めくくりにしたい。次の高校にも引き継ぐことができれば」と話していた。
2011年(平成23年) 6月22日(水)付紙面より
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仙台管区気象台は21日午前、「東北南部と北部が21日ごろに梅雨入りしたと見られる」と発表した。山形県を含む東北南部は平年より9日、昨年より7日それぞれ遅く、1951年の統計開始以来6番目に遅い梅雨入りとなった。
同気象台によると、21日の東北地方は気圧の谷の影響で曇りや雨の天気となり、この先1週間はいったん晴れる日もあるが、前線などの影響で曇りや雨の日が多くなる見込みという。
庄内地方はこの日、酒田の最低気温が19・7度、鶴岡は19・3度とそれぞれ平年より2・8度、2・9度高く、ともに7月中旬並みとなった。午前中は気温が上昇し蒸し暑い天気となった。鶴岡市内などでは昼ごろ突然、雨が降りだし、雷を伴った激しい雨に水しぶきを上げて走る車もあった。
山形地方気象台によると、21日は寒気を伴った気圧の谷の通過で大気の状態が不安定となった。22日の日中は、高気圧に覆われ、晴れる見込み。
東北南部の平年の梅雨明けは7月25日ごろで、昨年は7月18日ごろだった。