2011年(平成23年) 7月2日(土)付紙面より
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国内外で活躍する筝(そう)曲家、沢井一恵さんらが30日、鶴岡市の県立鶴岡養護学校(土門明校長、児童・生徒140人)を訪れ、生徒たちと筝を奏でるなどして交流した。
バイオリニストの五嶋みどりさんが理事長を務めるNPO法人「ミュージック・シェアリング」(本部・東京都千代田区)の訪問プログラムの一環。コンサート会場に足を運ぶ機会の少ない子供らに、協力アーティストが「本物の音楽」を届けるもの。沢井さんと、教え子による「さわい筝アンサンブル」の5人が訪れ、中学部の生徒27人と交流した。
はじめに沢井さんらが「六段の調べ」や現代曲「鳥のように」「炎」を演奏。弦をたたいたり、棒でこすったりしてさまざまな音を出すダイナミックな演奏に、生徒たちは引き込まれるように聞き入った。
その後、地元の邦楽器店の協力で約20台の筝が用意され、生徒たちが演奏を体験。筝は、張られた弦を手前に順番にはじくだけで「かえるの合唱」の一節「かえるのうたが きこえてくるよ」の音程が出るように調整されたもの。生徒たちは沢井さんらの手ほどきで弦を順番にはじいたり、筝の底をたたいたりして、夢中になって取り組んだ。「とても楽しかった。またやりたい」と興奮気味に話す生徒もいた。
2011年(平成23年) 7月2日(土)付紙面より
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出羽三山の主峰・月山(1984メートル)が1日、山開きした。あいにくの風雨となったが、今年は12年の一度の「卯歳御縁年」に当たることから、東日本大震災の鎮魂を願う信者や、パワースポットブームを反映した若い女性の姿も見られた。
山頂の月山神社には月読命(つきよみのみこと)が祭られ、信仰の山として全国から信者が集う。また、高山植物の宝庫としても知られる。開山祭は毎年7月1日に同神社で行われ、本格的な夏山シーズンがスタートする。また、今年は月山権現が卯歳の欽明天皇8(547)年に現われたとする故事に由来する卯歳御縁年に当たり、参拝すると高い御利益があるとされる。
この日は前夜から雨が降り続き、午前中は8合目から山頂付近は濃いガスに覆われた。それでも早朝から雨具に身を包んだ登山者が山頂を目指し、入山。雨で川のようになった登山道を歩き、9合目近くの「一ノ岳」では雪渓を踏みしめ、歩を進めていた。
千葉市から夫婦で訪れた60代男性は「山岳信仰の山に引かれ、15年ほど前から毎年登っているが、今年はひたすら鎮魂を願いながらの登山」と話した。また、「山形マニア」と語る都内から訪れた20、30代の女性3人グループは「昨年、羽黒山と湯殿山に行き、『来年、月山行くと御利益がある』と言われ、開山に合わせて来た。新鮮な空気にパワーをもらえそう」と笑顔を見せた。山頂では午前11時から信者らが参列して神事が行われた。