2011年(平成23年) 7月3日(日)付紙面より
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JR東日本秋田支社が企画した観光列車「日本海クルージングトレイン『リゾート鳥海』」の一番列車が1日、JR羽越本線酒田駅―男鹿線男鹿駅間で運行された。7月と9月の週末に運行される列車。酒田駅で初日午後、歓迎セレモニーが行われ、降り立った乗客にヨーグルトなどを振る舞った。
この列車は、夏のイベント列車運行計画の一つとして通常のものより大きめの車窓から日本海の絶景を楽しんでもらおうと、同支社が企画。2両編成で1号車が指定席、2号車が自由席。JR奥羽本線と五能線で運行されている観光列車「リゾートしらかみ」の車両を活用した。
歓迎セレモニーは酒田市と遊佐町、JR酒田駅、酒田観光物産協会の主催。同市の太鼓団体・風の会のメンバーによる演奏が鳴り響く中、「リゾート鳥海」は定刻通りに酒田駅3番ホームに到着。降り立った乗客を前に、阿部寿一酒田市長が「酒田の街を散策し、おいしいものをたくさん食べていってください」と歓迎。同市の「鳥海高原ヨーグルト」、遊佐町の「さけサブレ」を振る舞った。出発までの時間を活用し乗客たちは、同市観光ガイド協会員の案内で山居倉庫や本間家旧本邸などを散策した。
同支社販売促進課の奈良隆模課長は「男鹿半島、日本海、鳥海山という魅力あふれる大自然をつなぐことで、羽越本線の魅力も多くの人から再発見してもらえたら」と話していた。「リゾート鳥海」の乗車券は片道2520円、指定席券は510円。
2011年(平成23年) 7月3日(日)付紙面より
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東北の観光振興策を探るフォーラム「東北復興観光プロジェクトin庄内」が1日、酒田市のガーデンパレスみずほで開かれた。観光庁の溝畑宏長官が講演。「東北、日本に元気を取り戻すため、庄内、山形から風を起こす気持ちで頑張ろう」とげきを飛ばした。また、見並陽一JR東日本常務の進行で田端浩観光庁観光振興部長らが意見交換。今が4―5泊の「ロングステイツアー」を企画するチャンスで、「庄内こそがその最適地」などの声が出た。
東日本大震災の影響で大きく落ち込んでいる東北地方の観光の再生策を考え発信していくことで、被災地にエールを送るとともに震災復興に結び付けようと、北前船庄内(社長・新田嘉一平田牧場会長)、庄内観光コンベンション協会(会長・榎本政規鶴岡市長)などが実行委員会を組織し主催。約300人が参加した。
本間正巳酒田市副市長の開会あいさつに続き、見並常務が「大震災による負の連鎖が続く。今日のイベントを通じて『ここは元気』と発信していくことが目的。前向きの取り組みを披露してもらうことが、東北、日本を元気にする」とフォーラム開催の趣旨を述べ、老舗旅館「亀や」(鶴岡市湯野浜)、庄交トラベル(同市錦町)、最上峡芭蕉ライン観光(戸沢村古口)の代表らが震災後の状況を報告。厳しい現状を会場全体で認識した。
新田会長が「地域の大きな産業の一つは観光事業と、強く申し上げてきた。行政に頼らず私たち一人一人が汗を流しながら運動することが大事。今こそ被災地に大きなエールを送るとき。被災者を元気づけることができるよう、このフォーラムが成功することを祈る」と主催者あいさつした。
高橋節副知事の歓迎の言葉などに続き、溝畑長官が講演。「観光は人に幸せを与える。それにはまず、そこに住む人が楽しくなければいけない。『おれの古里は一番。だから来てほしい』と地元の意識を高めることだ」「この1、2年が日本の歴史の転換期になる。庄内、山形から風を起こす気持ちで頑張り、地域振興に取り組もう」と呼び掛けた。
また、見並常務がコーディネーターになり、田端部長、作家の石川好酒田市美術館長、舩山龍二日本観光振興協会副会長、稲岡研士ANAセールス社長、黒沢洋介山形新聞社長が意見交換。北海道から東北の日本海側までを網羅した観光コンテンツの造成や出羽三山を生かしたツアー、これから旅行の主流になるとみられる「ロングステイ」への対応などの提言があり、見並常務が「庄内には景観、歴史・文化、食など条件がすべてそろっている。一つ一つを磨き上げることで庄内が元気になり、そして東北、日本が元気になる」と結んだ。